週刊店長情報 ピーターの法則 2024.05.13
随分昔ですが絹パンスト製造の上場会社の次長だという人と話をした事があります。話をすると「ほんまにこの人次長?」とかんぐるほどチンプンカンな対応。聞けば天下りだとか。今回は大きな会社とか組織だと出世する毎に無能になる法則です。僕が言っているのではありません。
数年前農協に借り入れの申し込みに行った事があります。車を買うのに100万円ぐらいなら簡単に貸してくれると思ったのです。僕は農協の組合員で第二種兼業農家です。これがダメでした。理由はサラリーマンでないのと店舗がないのがダメな理由。僕の商売の中身とか信用できる人かは判定の条件でないのです。農協職員は考えない又は考える必要のない仕事しかしていないのです。
農協に勤めている村の人と話をした事があります。定年前に栄転して退職金がつりあがるのです。能力は関係ないです。定年後は再雇用。2~3年で退職というのがお決まりのコース。田舎ですから全部縁故採用です。町役場も同じでしょう。県庁も同じ人事だと聞きました。
国民金融公庫には随分お世話になりました。ここでも不満な事がありました。借り換えに応じてくれるのですが増額してくれないのです。増額に応じないのは所得税を払っていなかったからです。お金に困っているから借り入れをお願いしているのに公庫は「まず税金を払え」と言うのです。黒字にして少しでも税金を払うと借り入れしやすいと聞いたのは随分後からです。
国民金融公庫の人は全く融通が聞かなかったです。ある時細かく聞いてきたので「こりゃ 貸してくれる増額の可能性があるかも」と期待しましたがダメでした。貸せない理由を探していたのです。
商売をしている家に育っていれば簡単に判ることなのだと思います。僕の家で商売をしていた人は居ません。親戚でもいません。商売の話を聞く機会が全く無かったのです。
組織は繁栄する為に存在しています。有能な人材は出世して会社は発展していくと誰でも考えますが科学的に考えると全部能力不足の階級で止まってしまうと言うのがピーターの法則です。
平社員は成績優秀だと係長に昇格します。そこで結果を出すと課長に、更に認められると部長に昇格します。平社員と係長の仕事は同じではありません。係長には平社員と違う能力が必要なのです。係長は一人ではありません。ここでも競争が起きます。成績が優秀な人から課長に出世します。ここで係長止まりの人が出てきます。能力不足係長です。いわゆる「万年係長」になるのです。課長も同じです。係長と課長では求められる能力が違うのです。ここでも同じ事が起きます。適応できないで課に成績を挙げられない人が課に留まり続ける[万年課長」になるのです。人間の能力って限界があります。部長になっても同じ事が起きるのです。居残り組みの万年係長、課長、部長は能力不足の管理職なのです。これだと組織は停滞、売上げは下降気味になるのです。巨大な組織だとサラリーマン社長まで登りつめる人も出るのです。
こういう組織だと組織の中の人達はお客の顔を見ません。見るのは上司の顔色です。「お説ごもとも」と言うだけで問題を先送りするだけです。事なかれ主義が蔓延するのです。その上誰も責任を取りません。大企業病と言われています。どんな組織でもそうなると考えられるのです。
ピーターの法則ではそうならない方法も提案しています。降格人事が効果ありそうです。現実の問題として日本では一度昇格した人を降格するのは難しいでしょう。昇格する場合能力不足を補う為一定期間再教育して能力がついたと判断してから昇格させるのがいい方法だと提案しています。
今の日本でこういう状態の組織、会社が沢山あるのです。農協も例外ではないです。福井県では赤字の農協同士が大同合併しました。合併で支店を廃止し続けています。銀行も同じで支店の合併廃止が続いています。支店網を縮小しても効果は一時的です。売上げアップのアイデアが必要なのですがそんなことを考えられる人はいない又はいても意見を通す事は難しいでしょう。自然食業界の組織は大きくありません。こういう事が起きるのはもっと先のことかも。