週間店長情報 農産物価格の根拠 2019 9 23
ひじきの価格を調べる為深夜スーパーに。そこで有機栽培じゃがいもが販売されていました。「どうせ中国産だろう」と思って確認すると北海道産。ここは大きなスーパーではありません。高級品の販売しているわけでもありません。普通のスーパーです。僕は「スーパーが自然食品店に近づく」と言っています。こういう物を見ると「これからそうなるのかも」と考えてしまいます。
有機栽培農産物は自然食品店の専売品ではなくなってきているのです、有機農産物生産者は大規模農家が多そう。マークをとるのに金が要るので小農家では無理。認証を取った生産者又は団体は皆さんの店に直接営業にというのは考えにくいです。生産量が多いので小さな自然食品店を沢山開拓しても手間がかかりすぎるのです。卸を介在させるしか手がないです。「ウチは有機農産物を直接生産者から買っている」と言う店があります。事実でしょうが出荷するほうは大変だと見ています。じゃがいも10キロを自然食品店に直送するのは大変手間なのです。トン単位の収量ですから。かといって10ケース100キロを店は買えません。買えば大部分腐らせるでしょう。
りんごの取扱いをしています。生産地は青森 20年以上の付き合いです。数回見学に行きました。当方は二番手グループだと聞いています。一番手は大地を守る会 らでぃしゅぼうや 関西よつ葉。生産者はコンスタントに毎週継続して買ってくれる店とか組織が有難いと言います。具体的には毎週10ケース以上買ってくれる売り先が一番。急に数百ケースと言う注文は有難くないらしい。毎年買ってくれる事も条件の一つです。昨年のりんごは美味しかったが今年のりんごはまずいから買うのを控えるというのは困るのです。この生産団体にも1ケースの注文があります。自然食品店がりんご1ケースを生産者に直接注文している事を知っています。これだと別途送料がかかりますし販売価格も個人客扱いになります。毎週発注でも生産者は作業と入金管理が大変です。
個人の生産者が直売するのは儲けを考えるとありです。個人客を優先して残りを組合に出すと言う生産者もいるようです。「いいとこどり」の生産者です。仲間から嫌われるでしょうが。
毎年同じ数量のりんごが生産できるわけではありません。「3割減収」とか「4割減収」とかあります。「今年は減収予想なので卸価格を上げる」はないです。シーズン前に価格は決まっているのです。数年に1度の値上げです。生産者は反収を基準にして値上げをします。りんごの各種類の反当りの収量。反収と卸価格が判ると粗収入が出ます。
りんごの場合紅玉は反収が少ないです。普通の品種より高い卸価格になっています。ジョナゴールドは作りたい品種。反収がいいからです。欠点は中生種で柔らかいのでふじのように保存性がよくない事です。他の組合員との兼ね合いもあります。圃場の適性もあります。
みんな反収って聞くと納得します。これを基準に農産物価格が決まります。この価格の根拠が僕には判りません。価格決定の根拠を示してくれた生産者を知りません。
お米も一反に8俵とか10俵とか言います。12俵とかの収量は慣行栽培で熟練生産者。有機栽培米はそこまでいきません。自然栽培というか不耕起 無堆肥 無農薬だともっと少ないです。有機栽培米は生産に手間がかかるので価格が高めなのは納得。自然栽培米には?が付きます。この場合の価格根拠は反収。何もしないお米が有機栽培米より高いのが僕には理解不能。
食品製造業では製造原価を計算します。家賃 生産に要した人件費 原料 機械レンタルとかリース代 雑費 消耗品費 車両費 結果出来上がった製品の数量。出荷するのに梱包 送料が別途かかります。これらを合計して割ったものが1個の生産原価。これに儲けを乗せて販売価格が決まるのです。自動的に卸、小売価格が決まります。
自然栽培だと「何もしないでじっと見ているだけ」の時間は人件費?畑の前での読書も仕事?
セリなら納得。需要と供給で決まるから。有機農産物の原価、価格決定の根拠。誰かオセーテ。