週間店長情報 病院のスターは重病人 31 4 1
僕は病院ではグリーンボーイ(駆け出し)です。若いのです。同じ階の入院患者は全部僕より年配。同じ村の人もいますが80歳台です。ほとんどの人から「若いねぇ」です。
僕のような軽症?患者は手厚く看病してもらえません。毎日血圧と体温を測りに来て後はほとんど何もなし。その他はリハビリの時間を告げに来るのと週1回の医師の回診。担当医以外の回診は「どうですか」「痛くないですか」で終了。10秒です。リハビリが日課です。後は食事。今まで1食だった僕が食事の量はみんなの半分ですが3回食べています。ここはおとなしく従っています。食事については話したことがあるのでここでは割愛。いずれ続編を予定しています。
3階(緊急性の高い患者)から4階(少し軽症になった患者)に引越し。3階で同室だったご老人が先に入室していました。3階にいた時は薬カレンダーがありましたがここでは見当たりません。看護師が毎回聞いています。朝食の前に来て「食事の前にこれ飲んで」ごそごそ探した中から薬を出してきます。食事後にも薬があります。これも探して渡しています。昼食 晩の食事も同じです。毎回薬を探すのが大変。数日してからカレンダーを持ってきて薬を差し込みました。これで判りやすくなったのです。「もっとはよぅせんかい」と言いたい気分。それまで食前の薬を食後に飲んだりしていたのもあった模様。薬もいろいろ。六なんとかの漢方薬もあります。就寝前の薬もあります。便秘薬と利尿剤 なかなか便が出ない場合座薬 下剤 効かない場合は浣腸 ただ浣腸は透析の日には出ないみたい。効果は浣腸が一番らしい。薬管理だけでも大変なのにこれに週二回の入浴があります。リハビリは毎日二回。透析は週三回1回4時間。過密スケジュールです。だいたい毎週娘が来ます。透析の終わった後とかに来てスマホで孫の動画を見せています。僕だったら「今疲れている。早う帰れ」と言うでしょうがちゃんと相手をしています。孫の動画を見せたい娘の気持ちが判らんでもないですがこのスケジュールだと少し遠慮したらと言いたい気分です。80歳代の爺さんには負担が大きすぎます。お世話で出入りしている高齢の女性は奥さんではない模様。頻繁に連絡を取りあっています。いつも娘のいないときに来ています。鉢合わせは無いです。愛人かも?不思議に見ていました。この歳くらいの愛人なら娘公認の筈だと思いたいです。子供は小さくないのですから。奥さんは生きていないみたい。一人で?生活している模様。
ちょっと強面の中年女性が来てかなり大きな声で話をしているのを聞きました。勝手に聞こえてくるのです。これが複雑と言うか面白いと言うかドラマを見ているよりはるかに興味のある内容です。強面でしゃべっているのは姉娘のほうらしい。「キャッシュカードはどこにある。通帳はどこ。いろいろの支払いはどうしているん。車の鍵は取り上げるし駐車場は解約する」とすごいけんまく。対して爺さんは「そんなこととやかく言われる筋合いはない。わしはわしでちゃんとやっている。おめぇらに迷惑は掛けん」と防戦。「その足でファミリーマートまで払い込みにいけないはず。誰に頼んでいるの」と問い詰めると「わしにも友達はいる」と爺さん。「爺さん 頑張れ」と応援したい気分です。爺さんは油絵(抽象画)を教えていたらしい。娘がお金を管理したい模様。本当はそうでないのかもしれませんが聞いている限りそうです。愛人は30年以上の関係のようです。娘にしたら「長年ひどい恥と迷惑を被った」とかなりご立腹のご様子。
爺さん背は高く180センチぐらいある。ハンサム(僕とは違う)人気ですし病院での対応も至れり尽くせりです。朝起きてから寝るまで本当に看護師さんつきっきり状態です。「お茶 まだ残っているか」と聞いて減っている容量をチェックして「もう少し飲んで」と言います。僕にはたまに気がついた看護助手が「お茶入れてきましょうか」と言うくらい。これで治療代も含めた1泊料金が一緒なら大いなる差別ですぞ。病院に入るなら重病になってからが一番です。少々の病気では大事にされないのです。僕程度では「虫けら扱い」病院のスターは重病人です。