週刊店長情報 手作りが美味しい訳 23 6 13
ムソーの悠膳が終売になりました。同じものがマルマワ味噌で販売されています。当方扱いの「日本」と「麦味噌」です。当方は毎週マルカワを味噌に行きます。川崎社長に訳を聞きましたが「今は話せません。一年後ぐらいに話をします」と言います。川崎社長は優しい人です。訳ありの模様。
「手の日本人 足の欧米人」によると日本人は手を重視している。また手にまつわる言葉も多い。手作り 手当 手揉み 手洗い 手編み いろいろな言葉があります。欧米では足を重視しています。犬には「お手」という日本人に対して欧米では「お足」と言う言葉になっています。我々は美味しいと言うだけではダメだといつも言っています。美味しいを説明できなくてはいけないのです。日本では「足作り」と言う商品はありません。足で作った豆腐はないです。
豆腐の場合はどうでしようか。豆 水 にがりが決め手です。豆は生産地と安全性 北海道の小粒はでんぷんが多い 甘い豆腐が出来ますがにがりを多く入れないと固まらない。固まり易いのは北海道より南の生産者。豆も大粒の方です。たんぱく質が多くなるからです。丸和食品とか充填豆腐のメーカーでは豆はブレンドします。甘い豆腐と固まり易い豆をブレンドするのです。手作り豆腐は原料豆 水だけでなくにがりの種類と打つタイミングの量が美味しさを左右します。プロは「ぎりぎりにがりを少なくします」少ないと美味しい豆腐が出来るのです。にがりを多くすれば誰でも豆腐は作れるのです。
うなぎのかば焼きはくし刺し3年たれ○年 焼き 一生と聞きました。最後の手焼きで美味しさが決まるのです。その日の湿度 温度 天候 うなぎの状態が全部 又は毎日違うからです。職人の腕で美味しさが決まるのです。
コーヒーの場合 最後の焙煎で美味しさが決まります。原料豆がオーガニックで一級の物でも最後の焙煎が美味しさを決めるのです。いつぞや グリーンアイズの森口さんから 見学に来た 同業者が「どうしてこんなに 美味しくなる焙煎が出来るのですか」と質問するので「あんたも 何千回 何万回も焼くと 焼けるようになる」と答えたと聞きました。教えられない世界が職人なのです。経験するしか方法がなさそうです。手揉み茶の場合 ここでも原料茶葉の状態が問題になります。毎年 原料が違うのです。工業品のようにはいかないのです。良くない状態の茶葉でも満足できる茶に仕上げるのがプロです。
こんにゃくの場合は原料の芋はほとんど差別化できないのが現実です。生芋 生産地は群馬 栃木県産でほとんど一般市場と変わりません。有機も一般市場に出ています。凝固材はカルシゥム。手作りの決め手は凝固剤の量。これが少ないと美味しいこんにゃくが出来るのです。付き合いのある大矢商店訪問した時後継の息子さんと話をしたことがあります。その時「毎日 ノートを取り続けた。でもダメでした。毎日 状況と条件が違うのが判ったから」と聞きました。父親は「職人の腕は計数化できない」に尽きるのです。大矢商店では職人の腕だけでなく芋も差別化しています。一般市場と自然食品業界で使っている芋は二年で赤ちゃんの頭ぐらいになります。病害虫に強い改良品種で早く収穫できる芋を使っています。大矢商店では在来種を使っています。三年経っても拳の大きさしかなりません。マクロ的には三年物の方が「陽性」なのです。現実はお百姓さんは作りたがらないのです。二年で出来るものを三年かかるのは減収になるからです。芋の買い取り価格を高く設定して全量買い取りしています。その上で腕が必要なのです。凝固材は水酸化カルシゥム。北海道産の牡蠣殻カルシゥム。牡蠣を六百度ぐらい熱っした物 これはイオン化しています。機械作りのこんにゃくでは少しに多めに凝固剤を入れます。固まり易いからです。この差です。