週間店長情報 気がつけば時代遅れ 2022.02.22
取引のある食品製造に「有機のアイテムを作る予定はないか」問い合わせました。返答は「予定はない。原料確保が難しい」との返事。国産有機大豆は生産が少なくて取り合い状態だと聞きました。自然食品店には有機でないアイテムも結構あります。有機に代われないのは「原料の調達が出来ない」為です。大豆の国産だけでも少ないのに有機は更に少ないのです。ここで大部分の会社は諦めます。諦めないのはこれからこの業界に進出又は革新の志のある人達でしよう。
いろいろな原料が入手不可能状態で「ないのは当たり前」を前提にして「じゃあ どうやって確保するか。出来るか」を考える人達がいます。「ないのなら作ろう」とか「探しまくる」行動を始めるのです。有機味噌の社長と話をした事があります。「毎年お願いしている有機大豆生産者に昨年と同じ量とっといてと言ってもだめ。トラック横付けで現金を持ってその場で大豆を取りに行きます」と聞きました。長年の付き合いとかは役に立たないらしい。大豆は収穫してすぐに価格が付きません。農水省の標準価格が決まってから決まるのです。そんな時にそれ以上の条件で出して買ってしまうのです。今はそうではないでしようが有機認証の初期は分捕り合戦だったのです。そのかいあって味噌は売れるようになったのです。この初めの一歩がその後の発展に。
40年以上前の自然食品店は売る物がなかったです。醤油も3年物は手に入れるのが困難。味噌も国産大豆味噌はアイテムも少なかったのです。豆腐も国産無農薬大豆消泡剤不使用も少なかったです。そんな中で「あそこにある」と聞けばすぐに取引依頼したのです。
そして今があります。40年とは言いませんが10年でも変わってきているのです。10年前は有望と言われたアイテムでも今では当たり前かそれ以上の物が出てきているのです。
毎週店を廻っているので変わった物があればチェック。スーパーにも行きます。買うのは魚です。美味しいとか言うのではなく変わった物があれば買うのです。安くて美味しいという物は探すのは難しいです。魚だと安いと鮮度が良くないです。鮮度が良い物は高いです。ここで財布とどう折り合いを付けるかで悩みます。安い物は財布に優しいですが刺身にしてはまずいです。これを買う場合があります。50度洗いを試す場合です。(50度洗いについては書いたことがあります。知りたい人は当方ページ 週間店長情報 ナカショウで検索、数年分掲載しています)
自然食品店で販売されているアイテムでグレードアップしたい商品がたくさんあるとみています。気がついている人もいますし気がついていない人もいます。こんなのを全部グレードアップするには10年以上かかるでしょう。簡単ではないです。
当方と取引しているメーカーの中で次から次と新商品を出してくる会社がある一方で10年20年新規アイテムの全くない業者もいます。新商品を出していない業者は売れているのです。その為新アイテムを投入する必要がないです。売れている時に次の時代を先取りした商品開発をすると良いのですが。売れている現場では「余計な事はしたくない」のです。社長がやる気があっても現場が良い返事をしないケースもありそう。二代目だと余計にそうなります。今回のコロナ騒動 これを機会に舵取りの方向を未来志向にしたいものです。
当方も今の状態が続けば良いと思っていません。まだまだ取り組みたいというか「こんなの売りたい」と言う商品があります。自分の販売能力が小さい為製造してもらえるのが難しい物もあります。ある程度の販売力がないとメーカーに相手にしてもらえません。小ロット生産してくれる良心的なメーカーを探しています。
今製造している独自アイテムはわずかですが続いています。僕の我が儘を聞いていただいている会社には感謝しています。今年もなんとか1つぐらいは発売したいと思っています。そうしないといつのまにか「気がつけば時代遅れ」になりそうです。