週間店長情報 常識をくつがえせ 小さいは強い 2020.12.21
同名の本を読みました。あんまり本を買わないのですがチラ読み出来ない内容だったのです。内容は地方都市の家電専門店の前に家電大型店全国チェーンヤ○ダ電気が出店 その奮戦記です。全国チェーンの大型電気店が出店すると地方の電気屋はほとんど淘汰されるのが現状です。この店はそうならなくて結果ヤ○ダ電気の方が閉店になったのです。これが評判になり店には全国から講演依頼が来ているそうです。小さい店が強かったのです。
自然食品店はまだ小さな業界です。他業種と比べて店の数は非常に少ないです。また増えていません。通常の業界は閉店してもすぐに同業の新店が出来るのです。そうなっていないのが自然食品店業界です。実際はネット出店が増えています。首都圏では○シックスがインショップ形式で出店を続けています。ビオ何ちゃらと言うのもかなりの勢いで出店を続けています。親会社はGMS全国チェーンのスーパーです。かなりのペースでチェーン展開しています。このスーパーは関西にも店が沢山あります。展開している店は今の自然食品店よりかなり大型です。
皆さんの店の前に関東の大型店が出来る事も想定しておく必要がありそうです。「ウチみたいな小さな店の前に大きな店が出店するなんてありえない」と大部分の店主。まさかという事があるのです。実際に起きると「何でウチの店前にわざわざ出店するんじゃい。もっと他に出店する場所があるじゃろうに」と言うかも。現在の状況が続くと考えるのが私たちです。変化は起きないと思いたいです。関東でチェーン展開を続けているのですから一段楽したらいずれ関西に進出すると考えるのが普通です。出店適地を考える場合同業店を調べるのがセオリー。一番簡単なのは同業店の前か横に出店するのが一番手っ取り早いのです。自店の横に出店してはいけない法律はないです。
冒頭の地方家電専門店は撤退しないで戦ったのです。店の道路を挟んで10倍以上の敷地面積の店が出来たのです。店が出来る前から買い控えが始まり客足がバタッと止まったのです。新規出店すれば大安売りが始まるとお客さんが期待するのです。出店すれば更に深刻な状態に。更に店員の引き抜きもあります。小さな店は大打撃すべてが敵いません。
この小さな店のウリは家電レスキュー隊。「いつでも 困った時には伺います。当店でのお買い上げでない商品でも大丈夫です」エアコンの取り付けも何処にも負けないくらい丁寧。具体的に示しています。何処に手抜きがあるかも説明しています。家電には専門家にしか判らないことが沢山あるのです。アフターサービスは金がかかるわりに売上げに寄与しないのです。
「何処よりも安く売ります」対策。これはお奨め出来ません。商売には商道徳があると僕は考えています。儲けを考えれば少しぐらい破っても良いという店があるのも知っています。「法律に違反していなければいいじゃない」と言う店主もいます。当方がとばっちりを受ける場合もあります。こんな時も「ひどい奴 倍返しだ」なんて言いません。短期的には違反したほうが儲かるケースが多いです。長いスパンで見れば道徳を守るほうがうまくいくと僕は信じています。
圧巻は自店の前の大きな店は「当店の展示場」と言う発想で「これない」と言われれば「向こうにあります。一緒にいって説明します」と言うらしい。実際に店まで同行してしまうのです。ここで商談成立の場合もあります。この場合「くだびれ儲け」ですが全部はそうならないそうです。
この店は初めから強かったわけではありません。いろいろ勉強して商売にはミッションと言うか志が必要と考え、たどり着いたのが「この地の人との為に頑張ろう」と言うことから家電レスキュー隊を結成。これをベースに大型家電店と戦ったのです。閉店した大型店に「後に残ったお客さんの事はどう思っているのでしょう。不親切」その上「別に大型店対策を取らなくても生き残っていた」と聞きました。平生の活動に磨きを掛ければ良いだけだったのです。
ミッションとか志は我々の商売にも通じそうです。磨けていれば「小さいは強い」のです。