週間店長情報 科学的ビールの注ぎ方 2022.11.28
「いょっ 出ました科学的」ビールの話はビールを自製した話以来です。ビールでこれ以上話する事はないと思っていました。ビールは嗜好品です。誰でも飲むものではないです。
ビールで美味しいと思ったアイテムは20年ぐらい前販売されていたプライムなんちゃらという缶ビール 濃いブルーの缶ビールでした。ほとんど出回っていなかったようです。価格は高かったです。当時富山にいた息子の所に行ったとき酒盛りのためにスーパーに買い物に行ったらあったので息子と一緒に飲みました。彼も「こりゃ 美味しい 生ビールみたい」と言いました。しかしすぐに一般市場から姿を消しました。その頃から安価なビールが沢山出回るようになりました。第三のビールとかが出始めたのです。あれば買い占めたい気分のビールです。その他「サッポロ夢もの語り」と言うビールも記憶に残るビールです。
現在いろいろな地ビールが出回っていますが美味しいと思ったビールはありません。地ビールはとんがっているのです。特徴があるとも言えますが毎日飲みたいビールではないです。毎日飲みたいビールは「飽きないビール」です。美味しい過ぎるビールは飽きるのです。飲み飽きないビールを大手メーカーは目指していると見ています。ドイツビールもきっと同じです。
第三、第四のビールとか飲みますが泡がすぐになくなってしまいます。これなら炭酸に麦芽とホップを入れると同じものが出来るかも。どうやら麦芽とホップを少なくして混ぜ物とか増量剤を入れて作っているという感じ。酒税の関係で安いビールを作る為らしい。
ビールの泡は炭酸やビールの香りを守る役割をしています。泡の仕上がりによってビールの旨みが変化することがわかっています。泡が重要な役割を果たしているのがビールです。
ここからビールの注ぎ方の説明です。グラスを置いてなるべく高い位置からビールを注ぎます。30センチぐらいの高さから。最初はゆっくり途中から泡を立てるように勢いをつけ、グラスが泡で一杯になるまで注ぐ。その状態で2分待ちます。泡がグラスの半分程度まで収まって来たら2回目を注ぎます。グラスの縁側からそっと流し込み泡が1センチほど盛り上がるようにして再度待ちます。泡がグラスの縁より下がる前に、泡が崩れないようにビールを継ぎ足し、泡が2センチ盛り上がる程度まで注げれば完成です。これが3度注ぎと言う方法です。1度で注いだビールより香り成分が持続するだけでなく飲み初めと飲み終わりで異なった味を楽しむことが出来ます。
その理由は勢いよくビールを注ぐ事によって香り成分が揮発して活性化して「ふわっ」とグラスの周りに漂うからです。3度注ぎによってしっかりとした泡が蓋の役割をより長く香りを保つと考えられるのです。最初の1注ぎは泡を作ることが目的です。
飲み初めと飲み終わりの味が変わるのは2つの苦味成分が関係しているらしい。1つはビールの苦味の本体であるイソα酸、もう1つの成分は苦味や奥行きや柔らかさを与える後熟成分。イソα酸はビールの泡になじみやすい性質を持っており、後熟成分はビールの液体になじみやすい性質を持っています。3度注ぎをすると注いだ直後は苦味が少なく、飲んでいくうちに苦味成分が強くなっていきます。というのもイソα酸は泡となじみやすいため、注いだ直後は泡の中に隠れている為、苦味を感じにくいのです。飲み進んでビールの量が減るにつれ、泡の中のイソα酸が液体の後熟成分と混ざり合い苦味が増し味が変化していくのです。
広島でビールだけのスタンドバーがあることを知りました。重富って言うらしい。ビールは1メニュー アサヒだけ。夕方5時から7時までの営業。一人2杯まで。あてなし。注ぎ方でいろいろな味を作り出してくれるというのです。客は全国から来るとも。広島まで新幹線で行きジョッキでビールを2杯飲んで新幹線で帰るというスケジュールは僕の懐的にはきつい。しかも待たされる可能性もあるのです。広島で用事がある時に行ってみたいです。