週刊店長情報 熟成ってなんや? 30 9 17
台風 地震 いろいろありました。被害にあわれたお店様お見舞い申し上げます。当方も実家の屋根の雨といが落ちました。修理するのに足場を組むとなると20万円ぐらいかかるらしい。「保険きかんのか聞いて」と家内。火災保険に入っているらしい。他人ごとみたい。家内は真剣。連絡するとすぐにJA社員が来てくれました。「見積もりはこちらで作る」通常は業者の見積もりがあっての話。アバウトです。田舎だからか「JAの良い所」でしょう。
福井の実家は越前海岸。朝5時に起き「でぇぼ」(大謀網)が戻ってくる時間にいけば魚が買えるのです。冬になれば寒ブリが。朝にとれたものを食べると美味しい筈ですが僕的にはブー。餅みたいな食感です。田舎の人は「この餅みたいなのがうめぇんじゃ」僕は餅が嫌いです。正月の朝小さな餅を一つ食べて1年分終了。「餅の嫌いな僕に言うな」と言いたい気分。シティボーイ感覚の僕には判りません。論理的に言えば朝採れの寒ブリは熟成が進んだ夕方になるとタンパク質がアミノ酸変性してうまみが増す筈。これが田舎の人には通じません。
熟成と発酵の違いについてはっきり違いを説明できないのは僕だけかもしれません。
熟成はタンパク質が酵素によって分解アミノ酸が出来る反応。発酵は微生物の働きでデンプンを分解してアルコールと糖分に分解させる反応です。とネットに出ています。
ここまで聞いて「そうか 判った」でおしまい。ではありません。A5ランクの牛肉は美味しいと聞きました。でも違うと言う人がいるのも知りました。本当はどっちでしょうか。
Aは歩留まり 数字は霜降りの付き具合だとネットに出ています。美味しさの数字ではないみたい。Aの歩留まりは肉屋の儲けに関係しているのです。歩留まりがいいと可食部が多い。沢山売れる部分が取れるのです。数字のほうは脂肪の入り具合とか多さでしょう。
これで美味しさが決まるのであれば簡単です。ならない理由を考えてみました。美味しいと言う部分はきっとアミノ酸ではないかと推測しました。たんぱく質が変性してアミノ酸に変わるのです。アミノ酸の含有量が多い牛肉が美味しいはず。
腐りかけの肉 魚が美味しいと言う事を聞いたことがあります。何もしないでほぅっておくだけでも熟成は進むのです。肉屋業界では熟成の方法があります。以下に方法を
ドライエイシング法 ウェットエイジング法 枝枯らし法 乳酸菌熟成法の4つがあります。
ドライエイジング法は低温で風を当て続ける方法で水分が飛びたんぱく質ミネラルが凝縮される。
ウェットエイジング法は真空にしてから低温で熟成 歩留まりがいい。外国産肉の場合有効。船便
枝枯らし法は日本で昔から行われている方法 低温度部屋で吊るしておく方法 風は当てない。
乳酸菌発酵法は乳酸菌を降りかけて熟成させる方法。
熟成というのはまず水分を飛ばし、たんぱく質 ミネラルが凝縮 更にたんぱく質が肉の中にある酵素の作用で分解されてアミノ酸に変性される事です。
アミノ酸が多い肉が美味しいと思いがちですがそうではないらしい。その前に美味しさを決めるには他のポイントもあるのです。飼育方法と餌です。その上で熟成方法 期間が関係してくるのです。アミノ酸は美味しさの必要条件の一つに過ぎないと言うのです。熟成が進みピアジン類の発生これが加熱した時に香ばしい香りを発生させるのです。
熟成肉が人気だと言います。ドライエイジング法だと歩留まりが悪いです。表面を切り取る必要があるからです。時間と手間もかかります。高く売らざるを得ません。「35日以上の熟成が理想」だと言います。日本では熟成についての基準がありません。その気になれば自然放置でも熟成ともいえるのです。その気になるかどうかは肉屋次第。肉屋の良心にかかっているようです。その上売りの現場の都合も出てきます。美味しい肉入手の決め手は肉屋の店主とお友達になる事?かも。