週間店長情報 茶碗蒸しに愛を 2020.11.30
世の中は相変わらずコロナで騒いでいます。東京が主役だと考えていましたが北海道とか大阪 名古屋が主役に。政府の対策は後手に廻っています。コロナ対策と経済を両立させるというのは賢い人が考える事です。「アホが世を持つ」と言う言葉があります。単純明快がいいのです。欧州でやっている対策がお勧め。夜の飲食店への自粛要請ではなく禁止にするとはっきりするのです。このくらいの手を打たないと退治出来ないのかも知れません。
外食とか旅行は晴れの行動です。今は当たり前になっていますが昔は特別な事だったのです。特別をなくしたからって死ぬ事はないです。GOTOなんちゃらというのは無くてもいい行動なのです。こんなんに税金をジャブジャブ使うのは「いかがなものか」と言いたいです。台風とか津波が押し寄せて来る時「避難指示」で商売が出来なくなったといって保障はないです。ついでに言えば皆さん国から頼まれて商売をしているのではないのです。儲かると思って自分の判断で商売を始めたのです。こんな事を言うと総スカンかも。
巣篭もり消費と言う事で今回は茶碗蒸しを取り上げたいです。私達は何でも知っています。でも知らない事はあるのです。「茶碗蒸しっていつから始まったの?」「ルーツは?」「何でスが入りやすいの」「何で銀杏を入れるの」「日本だけの料理」いろいろ聞かれると困ってしまうのです。誰も調べていないでしょう。そりゃそうです。当たり前すぎて調べる気にもならないのが本音でしょう。
皆さんが店で説明できる事は具材とか出汁とかでしよう。話にして1分も持ちません。これで30分も薀蓄を垂れる人はきっと皆無。僕って誰も答えられない事を知りたがる癖があります。誰もが知っている事って「つまんない」です。知らないものには魅力があるのです。
それではルーツと言うか始まりから話を。日本では長崎の唐人館で出されていた卓袱(しっぽく)料理からです。卓袱料理とは中国料理や西欧料理が日本化した宴会料理の一種。大皿に盛られたコース料理を円卓で囲んで味わう形式。和食 中華 洋食の要素が互いに入り混じっている料理。献立には薬膳料理の要素が組み込まれている。銀杏が入っているのはその名残です。
歴史的には伊予松山藩士吉田宗吉信武が長崎で茶碗蒸しを食べて感動。慶応2年に蒸し物専門店を開業したのが始まりだとか。最初は卵とじ(から蒸し)だったらしい。それが出汁の量が増えて現在の茶碗蒸しになったと言うのが定説。今でも具を入れない「から蒸し」はあります。
茶碗蒸しの具にうどんを加えたものを小田巻き 蒸しあるいは信田蒸しと呼びます。具に豆腐を使い、蒸し揚げた後に上から葛あんをかけたものが空也蒸し(空也豆腐)です。具材は貝類 白身魚 栗の甘露煮 竹の子の水煮 生麩などを使います。鳥取県西部では春雨を入れるのが定番
具材にまいたけは入れてはいけない。入っている成分プロテアーゼ酵素はタンパク質分解酵素だから。使う場合は30秒ほど熱湯でゆでてから使います。
中国ではdun 丼状の盆に 鉢に材料を入れ器ごと蒸し揚げる。ジェイタン ドウンダ。韓国ではケラン チム ケランは卵 チムは蒸し料理の事。
茶碗蒸しの具材に寒タラの白子を入れた物は絶品らしい。1月~2月しか食べられない。
江戸時代 静岡 袋井にたまごふわふわと言う料理がありました。江戸時代の宿場町の旅館で朝食に出された卵料理 材料は卵だけ 出汁は昆布と鰹節。食べたのは庶民ではありません。
スが入るのは高温で蒸し揚げるからでしょう。玉子が固まる温度は60度 出汁水の沸騰温度は100度。この温度差が原因です。これが理解できると簡単に作れそうです。ゆっくりと熱を加えるといいのです。もっと簡単な方法は低温で調理する事でしょう。試してみる予定です。
和風出汁を入れれば和風 ブイヨンを入れれば洋風 中華出汁を使えば中華風茶碗蒸しが出来上がります。出汁を変えるだけで変わった茶碗蒸しが楽しめます。作る人に愛があれば