週間店長情報 餅はもちやで 2021.03.29
「餅の話をするんかい。お止めになったほうがいいのでは?」「何で?」「おめえの店長情報で度々おもちは1年に1回しか食べんといっているじゃないか。そんな人間の言う事なんて信用できん」と言われそうです。私達の商売は「うんちく」が命です。うんちく話が沢山出来るといいのです。餅が好きとか嫌いではないのです。皆さんが知らない話を出来れば良いと思っています。どうなるかは神のみぞ知る。餅の話をした事は一回もありません。
餅つきイベントで大失敗した事があります。田舎で農作業をするイベント。街からバス1台とか3台で来た人達をもてなしたのです。最後に餅つきをして食べて帰ってもらうと言う趣向でした。玄米餅を搗いてみんなに食べてもらうのです。玄米を蒸して臼にいれ餅を搗き始めたのですが一向に柔らかくなりません。粒が細かくならなかったのです。帰りのバスの時間が迫ってきます。責任者だった僕は困ってしまいました。せかされるのですから最後は「捏ねあがっていなくても食べさせよう」と決心。充分に柔らかくなっていない餅を食べてもらったのです。食べた人は不満はあったでしょう。でもしょうがなかった措置です。若かったからできたのでしよう。
後から判った事は「玄米餅は白米を蒸して後から糠を入れて搗く」のだと知りました。今ならリハーサルをするとか知っている人に聞いてからにしたでしょう。25年以上前です。知らない事って一杯あります。20年以上前に書いた事がありますが玄米茶は玄米を煎った物ではありません。白米を炊いて水でぬめりを取り空煎りした物が玄米茶です。元々はおこげにお湯を入れて食べた事から始まったと聞きました。白米の甘さが玄米茶の美味しさの秘密です。玄米を炊いて空煎りしたものがあればきっと甘くないです。お茶生産者は玄米茶を作っていません。ついでに言えば麦茶もお茶生産者は作っていません。その為お茶生産者はお茶を混ぜたものを作っています。片木さんだと荒茶玄米茶 ほうじ入り麦茶として販売しています。麦茶 玄米茶は京田辺市にある会社が作っています。当方は見学に行ったことがあります。
餅って米の生産が始まった頃からあるらしい。搗き方によって差が出ることがわかっています。臼でつくのが一般的ですがミキサーでも作れます。臼でつくと結晶がまばらになり均一にならないです。ミキサー式は均一になります。ミキサー式は中に気泡も含みます。固くなるまでの時間はミキサー式が速いです。お鍋での溶けやすさはミキサー式のほうが溶けにくいのです。
餅の溶ける始める温度は60度。これ以上になると溶け始めるのです。逆に言えば60度以下だと固まらないというか溶けないのです。その為餅つきは手際よさが大事です。勢いで早くに搗くのには訳があったのです。更に速く搗く事によってよく伸びる餅が出来るのです。
臼で搗く餅の美味しさの理由はこねとつきの二つの作業があるからです。最初にもち米を固めていきます。これを「こね」と言います。その後もち米をペースト状にしていくのです。これが「つき」この二つの作業で美味しい餅が出来上がるのです。
粉から作る餅もあります。湯を加えて蒸し揚げたり練り上げたりして作ります。練り上げた物は団子と呼ばれることが多いです。以下は参考。
中華文明圏において、「餅(ピン)」は主に小麦粉から作る麺などの粉料理(麺餅))全般を指す。焼餅、湯餅(饂飩・雲呑・餃子の原型)、蒸餅(焼売・饅頭の原型)、油餅などに分類され[5]、小麦以外の稗、粟、コメなどの粉から作るものは「餌(アル)」と呼んで区別があった。「餌」を蒸した「餻(カオ)」、小さいものを「円(ユワン)」、他の食材を包んだ「団(トワン)」、日本で知られる飯粒を搗いたいわゆる餅は「餈(ツー)」と呼んだという。日本ではこの「餈」に相当するものが他の食材と合わせて多様な「餅」に発展した。朝鮮でも「떡(トック)」といい、東アジア圏では現在も節会や縁起、祝賀行事など特別な節目に饗されることが多い。やっぱり餅はもちやで。