週間店長情報 末期がん患者を太客に 2022.02.28
今の僕は自然食品卸ですがそれまでは美容室を廻る化粧品卸でした。その時に起こったことを紹介したいと思います。これを読めば末期がん患者が有望客になることが理解できるかも。
だいたい毎月1回の定期訪問でした。化粧品の販売と同時に自然食品も販売しました。よく売れたのはラーメン お菓子 りんご みかん 桃 カルゲン等です。美容室への出入り業者で自然食品を取扱っている卸しは無かったです。売りに行けば今でも売れるでしょう。
ある店は僕が到着すると車の後ろのボンネットを空けて何があるのか物色します。そして「これ欲しい、あ これも」と勝手に持っていくのです。「それはあかん、別の人の分」とか「それは先生には売られん、冷えるから」と言う具合です。美容師は重いリウマチ患者、長年わずらっているので爪はないです。20年以上の付き合いです。ある時美容師が「私 難病指定、道で倒れてもペンダントに処方が書いてある。年金も50歳から貰っている。いつ死んでもおかしくない状態。もう身体にいいとか健康にどうとかは必要ない。毒でも何でもいいから。美味しい物を持ってきてくれ」と言うのです。その人には冷える物と身体の緩む食品は禁忌というか紹介しなかったのです。この言葉を聞いて僕は今までの考え方を変える事に。こんな人に健康に良いとかは無用だと判断したのです。その後は5個6000円の桃とか1本2000円の蒲鉾を持っていきました。2000円の蒲鉾はキスの蒲鉾です。蒲鉾のすり身は水に晒して作りますがキスは水に晒さないでもできる蒲鉾です。リウマチに良いとか言う食品も止めました。何でも買ってくれました。
その店の客とも付き合うことに。僕の講習会に参加した文房具店の女性店主。繁盛店でした。文房具店は構造不況業種。でも繁盛店。びっくりするくらいアイテムがめちゃくちゃ多いのです。場所が良いのも繁盛する理由です。京都伏見の丹波橋駅の近く。店主は70歳ぐらい。僕が行って話をすれば「それ貰います」ほとんど物は見ません。店の中には行きません。訳は中には嫁がいるから。よく店主の分以外に「娘のとこにも送って」という事が多いのでお嫁さんに遠慮しているのです。買う物は件の美容師と同じ。高い物です。みかん りんごは箱買いです。高齢になったので介護付き老人ホームに入りました。入るまでいろいろ買ってもらいました。
以前に話したことがある高齢で美容室を廃業した女性。30年以上の付き合いです。廃業しても化粧品を買ってくれます。娘が二人。どちらかの所に身を寄せる予定でした。それが「上の娘の所は便利だが場所が狭すぎる。下の娘の所は広いけど不便「」なんと贅沢な」と言いたいです。今住んでいる所は伏見納屋町商店街まで徒歩で2分のマンション。ここより便利な所を探すほうが難しい。90歳を過ぎ歩行に杖が必要になったので介護付き老人ホームに入りました。それでも化粧品の注文が入ります。コロナ下では老人ホームに配達できません。発送にする事に。それが「毎月娘が来るので娘の所に送って」と言うことなり今は神戸の娘の所に送っています。注文は1個ではありません。毎回1万円以上の金額です。女性は90歳過ぎても化粧するのです。
そう考えると末期がん患者に美味しい食品を買ってもらうのはありだと思えるのです。身体に良い食品とか健康に良い食品はNG。死に掛かっている人には「冥土のみやげ」と言うか今まで食べたことがないとびっきり美味しい食品がいいのです。金を持っていてもあの世まで持っていけません。生きているうちに使い切るのがいいのです。「○○」に残したい」と言うのも止めにしたほうが良いのです。たくさん残せば兄弟喧嘩の種になるのです。
「あんさんのじゃがいもラーメンも売るんかい」と言えば「はいなぁ 売ります」「いくらで」「へぇい たこうおまっせ 10万円」「なんちゅうやっちゃ ぼったくりやないか」と言うかもしれません。朝から鍋とコンロ2台持参。病人の眼の前で出汁作りから始めます。粉から麺に仕上げ食べるのは昼前に。イベント仕立て 訳あり講釈 薀蓄をいっぱい話すのですから10万円は安い。