週間店長情報 売り手の都合は買い手の不都合 2022.09.12
船井総研の船井先生の講演を聞いたことがあります。1000人規模の大会でした。20年以上前のことです。会費は10000円。清水の舞台を飛び降りたつもりで払いました。船井先生の本は当時発売と同時に買って読んでいました。講演を聴くことはなかったので1回ぐらい生での話を聞いてみたいと思ったのです。うろ覚えですがファッション業界の話を聞いたと記憶しています。「流行はこうして作られる」と言う内容でした。
ネクタイを例に出しての話は今でも覚えています。ネクタイの幅を毎年変えていくのです。幅が広くなるとそれに合うスーツも変化するらしい。更にシャツも仕立ての仕様を代えないとダメらしい。こうして毎年広くし続けるのです。広さが大きくなりすぎた後は最初のネクタイ幅に戻るのです。こうやって毎年スーツ、シャツを新調するように仕掛けるのです。これがあるところまでうまく行ったのですがいつの間にか大衆が踊らなくなってしまったというのです。
10年以上前のパソコンは3年ぐらいでかなりの人が買い換えました。僕もそうしていました。理由は不具合が起きたからです。画面が写らなくなってしまうのがほとんどでした。セミナー講師のカビ博士は「基盤がカビにやられるから」と言います。今のパソコンはなかなか壊れません。僕のパソコンはセブンが4台あります。1台は画面が映らないのですが別のディスプレイを使えば映ります。キーボードが使えなくなった場合も別付けキーボードを使えば使えます。今使っているのは3台。福井に1台、京都に2台。京都の仕事に使わないパソコンは美肌水の在庫の前にあります。毎日ヴバルディを聞かせています。効果があるかは判りません。
今でもXPを使っている会社があるらしい。仕事だけなら困らないのです。「サポートが終了しているから危険」と言う人がいます。僕はセブンを使っていますが仕事で困る事はないです。メーカーは次々新しいバージョンを出していますが僕の仕事に必要なのはエクセル、ワード、ネット、イラストレーターぐらいです。10年以上前から変わっていないのです。
パソコンはこれ以上の革新的な何かが出てくる事はなさそう。これだと新しいバージョンを出しても誰も振り向かなくなると見ています。あのネクタイ業界と同じ運命をたどるのでしょう。船井先生は「物的無駄の制度化」だと説明しています。革新が進んでいる時は売り手の都合で何でも出来るのです。パソコンを買い換えると入れてあるソフトも変えなくてはいけません。ソフトもバージョンアップした物を買い換えるのです。パソコン業界が新バージョンを出せばソフト業界も買い替え需要が起きるのです。消費税アップもソフト業界には恵みの雨です。「1%ずつ設定できる業務ソフト」を販売すればいいのですがどの会社もやりません。「すれば今後売れなくなる」からです。
使っているイラストレーターソフトは随分前のバージョンです。以前はCDソフトでの販売ですが今はネット配信です。しかも毎月代金を徴収されます。これも売る方に都合の言い方法です。実際にイラストレーターを使うのは僕だと1ヶ月に数回。その為に毎月金を払うのは誰でもためらう筈です。ほとんど毎日使うプロは別です。せめて使った時間とか回数で課金して欲しいものです。それだと誰も文句を言わないでしよう。そういう業者が現れるとあっとみんなそちらの方に鞍替えでしょう。イラストレーターだけでなく色々なソフトが使える百貨店のようなサイトが出来て経理ソフト 販売ソフトいろいろあって使っただけ料金をいただくというサイト。こんなサイトが出来ればうれしいです。
店にも当てはまる事があるかも知れません。他人の店の欠点は見えても自店の欠点とか店の都合でしている事は店主店長には判らない事もあるのです。「取り寄せは前金で」と言う店があります。店の都合は「こうしないとキャンセルが出た場合とか取りに来なかった場合困る」と言うのが言い分。言い分は間違っていないです。でもお客にとっては不都合だとでしよう。