週刊店長情報 天日干し椎茸の「天日干しって本当?」 24 10 1
干し椎茸の企画外品 50g入り280円税込 取扱開始
お店からの要望で探しました。25年以上前に付き合っていた山科にある自給自足で有名な「一○園」農事研究所に電話。その時に企画外品を仕入れて販売していたのです。ここでは椎茸の菌の販売をしています。昔の人はいません。しかも「もう扱っていない」と言う事でした。その時「業者を紹介します。少し待って下さい」と言われましたがすぐに電話が入りました。大分県の会社です。もちろん全部大分県産です。こちらで詰める事に。(詰め賃が安いので)これだとかなり割安に。あまりにも安いので「まがいもの」と疑われそう。でも本物です。
天日干し椎茸について
僕ってよっぽど正義感の強い人間。いやそうではないです。単なる「へそ曲がり」自分の販売している化粧品の欠点を指摘した時にメーカー担当者から「何で自分の首を絞める事をわざわざ言うの」と苦言を言われた事があります。今回も今までの僕の常識にはなかった内容になっています。
椎茸なら「天日干し」が良いのは誰でも知っています。そこで今回の取引業者に「そちらのは天日干しですか」と聞くと「天日干しではありません」これなら驚きません。価格も安いのですから。続けて「天日干しなんて椎茸99%ありません」と言うのです。「何で 天日干しって表示してあるものがあるじゃないですか」と言うと「全部うそです。表示義務違反です」ここまで聞いてびっくりしました。今まで信じていたのです。表示に間違いはない筈だと。しかも自然食品業界です。一般食品なら「そういうこともあるだろう」と思いますがこの業界で天日干しでないものを「天日干し」だと販売しているのは「許せない」気分で一杯です。大手の自然食品問屋はほとんど椎茸を扱っています。天日干し表示の椎茸も店に並んでいます。店の人に確認したのか聞いてみたい気分です。天日干しでない証拠は「傘の裏が白い」事です。この業者の話では「本当の天日干しは初めから終わりまで天日干ししなければいけないのです。そうすると椎茸は真っ黒になって商品としてはかなりぶさいくな物になってしまいます。最後の2時間だけでも天日干しにするとビタミンDが10倍になるのですがそれも時間がないので誰もしていません。時間もないけど天日干しする場所も確保できません」そりゃそうです。趣味でしているのではないのです。商売として考えると出来ないのです。今までここまで考えた事が無かった僕がうかつでした。個人が自分用に天日干しにすることはありそうです。田舎で椎茸を吊るして乾燥させているのを見た事があります。その時の椎茸は傘の裏側も真っ黒だった事を記憶しています。表だって負けていません。茶色ではなく黒に限りなく近い色になっていました。それと天日乾燥では完全に水分を取り除く事は出来ません。高温多湿の日本ではどうしても湿気が残るのです。ドライマンゴーを販売していますが店からの問い合わせで乾燥について聞いた事があります。天日で乾燥させた後仕上げは乾燥機にかけていると聞きました。ここでも天日乾燥は完全ではないのです。しかも日本よりずっと乾燥している国での話です。この話を聞いていたので「日本では100%天日乾燥椎茸は無理」だと判断しました。仮に最後の2時間だけ天日乾燥させた場合もどうしても湿気を含んでしまうのです。湿気を含むとカビの原因になるのです。乾燥材を入れるから大丈夫だと言いたいですが乾燥材も完璧ではないです。完璧に近づけるにはコーヒーの袋(二重構造になっています)に入れて乾燥材を入れて更に脱気するのが一番です。脱気している物は見た事があります。しかし袋が二重構造ではなさそうです。通気性がある袋を使用しているのが現状です。薄い袋でないと採算が合わないのです。ここまで書いて「ひょっとして100%天日干しを販売している店があるかも知れない」今のところ「判りません」当方の考えが間違っている事を祈っています。天日干し椎茸を取り扱っている問屋がこの文章を読んで反論するかも知れません。それだと有難いのですが。大部分は考えた事がないのでは。