週刊店長情報 続 仕掛けをお手本に 30 8 27
先週の「仕掛けをお手本に」を読んで「おめぇ これでは さっぱり 判らん。だいたい おまはんの話自体が難解 お手本にと言ったって難しい。実例とかがあれば判るのだが。これじゃあ お皿に生魚をまるごと乗せて ナイフとフォークで食べてと言っているようなもの」
「優秀な皆さんなら考えてくれるものと思ったのです」「それは甘い。我々は おめぇのような特殊パー族宇宙人ではない。もうちょっと何とかしてくれ」「わかりやんした」と言う事で続編を。
世阿弥家伝の書を思い出します。教えてくれた会社の社長は原文の文庫本をいつも持っていました。「空いた時間にちょっと広げて少しずつ読み砕いていくといい」と言うのですが「原文ではちんぷんかんぷん」と言うと「こういう風に考えるんだぁ」と解説してくれました。
家伝の書の最初は「芸能とは」です。これを社長は「芸能を人生とか商売とかに置き換えるといい」これで判ったのです。というか応用の仕方がおぼろげながら見えてきたのです。そこから読み進んで「花の章」で「秘すれば花」に出会います。この文章を読んで茶髪にすることを決心しました。20年以上前です。「稚児の芸」も参考になりました。教えてくれた社長に感謝しています。
プロレスの話の応用の仕方について実施例を味噌で説明します。お店で扱っている味噌でトーナメントを実施するのです。味噌には米味噌 麦味噌 白味噌 合わせ味噌 八丁味噌があります。その他皆さんの店では長崎麦味噌 弥栄味噌等も扱っているはずです。これにスーパーで扱っている無添加味噌、アルコール添加味噌を加えての飲み比べトーナメントです。毎週1組ずつ予選を実施します。暇な曜日3日間で実施。飲み比べてもらい どちらが自分好みかを投票してもらうのです。これで3~4週間 勝ち抜いたアイテム同士で準決勝 決勝へと進むのです。
優勝賞品とか表彰状はありません。表彰はしませんが優勝アイテムの在庫を一番多くするのがご褒美。皆さんが売りたいアイテムよりお客さんが買いたいアイテムが判るのです。期待した通りにならない場合もあります。目隠ししてやるとスーパーの添加物一杯の味噌が優勝する場合も覚悟しなければなりません。この場合は自店の取り扱っている味噌メーカーに「これに負けない味噌を作ってくれ」と談判するのも一つです。店にあるものが一番になるのが理想。
こういう風にやれば他のアイテムでも企画出来そうです。店内イベントは問屋やメーカー任せになっているのが現実です。これだと1年中 企画に困る事はないでしょう。
スーパーで一般の人を対象に牛乳の飲み比べイベントを見たことが有ります。低温殺菌 ノンホモ 高温殺菌牛乳の三種。一番人気は高温殺菌牛乳でした。これは本当の話です。主催した牛乳メーカーの社員が訳を種明ししてくれました。これについては以前報告したことがあります。
「愛は勝つ」じゃなかった「本物が勝つ」にならないのが世の中?「正義が負ける」「邪道が勝つ」ゾゾなにがしとごうりきなにがしの応用例については思いつきません。というかこれは自分達の
店とか店主店長の話が巷で噂が出る仕掛けです。自然と湧き上がってくるものでしよう。
一番簡単なのは「強盗のような悪い事をする事」です。いっぺんに噂は広まります。店は大打撃
閉店に追込まれます。と言う事はこの真逆の事をすればいいのです。「世の中に役に立つ何か」です。「私達は商売で社会に充分貢献」なんて言うかもしれませんが結局金儲けです。金儲け以外で社会に貢献することを毎日毎週毎月少しでも続けることでしょう。
具体的例として毎日10分早く出勤して店の左右100メートルを掃除する事。ご近所の独居老人を集めて毎朝ラジオ体操というのもありです。山歩きが好きな人は同好の人に呼び掛けで毎月ハイキングイベントを実施。食べるのが大好きな人は「自然食食べ歩き会」を開催するのもありです。
「そんなの面倒」と言うあなたは仕掛け人失格。神様とやらは「お客様の為なら出来る事はなんでもやる」という人とか店が大好きな模様。努力したらではありません。好きだからがいいのです。