週刊店長情報 新規顧客獲得のヒント 26 2 3
お店にとって新規顧客獲得は最大の関心事です。なかなか増えないのです。「あなたの会社が90日で儲かる」と言う本を紹介した事があります。この本は新規顧客を直接アタックするのではなく顧客になりそうな見込み客に手を挙げてもらって探す方法でした。紹介しましたが実行して実績をあげたと言う店を聞きません。もう何回も言っていますが開店して5年ぐらいは売上高 新規顧客共増え続けます。その後は増えないのです。以前読んだ船井幸雄の本で「最適規模の法則」を知りました。店の売り上げは 広さ 立地 在庫アイテム 在庫量が最適規模になるまで伸び続けると言うのです。それ以上に在庫を増やしてもかえって効率が悪くなると書いてありました。在庫を増やしても売り上げが上がらなくなったら「最適規模に達した」と判断するのです。ここまで書くと大部分の皆さんの店は最適規模に達していると言えるでしょう。こう言われると困ってしまいます。今の売り上げで充分利益が出ている店はいいです。そうなっていない場合は手がないのでしようか。別の見方をするとまだまだ「道はいろいろある」とも言えそうです。今回は僕の知人の話をして参考にしていただいたらと思って書き始めました。彼は元バスの運転手。それが親戚の個人タクシーをやっていた人が廃業する事から後を引き継いで個人タクシーを始めたのです。タクシーの運転手は腰痛に悩まされるのが普通。職業病だとも言えます。入院した事もあります。個人タクシーになっても腰痛から解放される事はないようでいろいろやっても改善されなかった。医者では治らないと判断。一番簡単な方法は「歩く事」と結論。そこで毎朝仕事に出る前の数十分を歩くことに。ただ歩くのではなくゴミ袋を持ってゴミと空き缶を拾いながらの歩きです。5年以上続けています。ゴミと空き缶拾いを続けていると先々で「これ食べねぇ」とか言っていろいろな物を「おっける」人が沢山出来たとか。夏だと取れたての野菜を沢山くれるそうです。ある時などは「何年もやっているので素晴らしいから表彰したい」とも言われたとか。それは断っても本当に知らない人がいろいろな物をくれると言うのです。彼は僕の住んでいる近くの村に家がありましたが20分以上離れている越前市に家を建てて夫婦と長男の3人で住んでいます。周囲は新興住宅地でそれまでと違って知り合いはあまり近くにいなかったのです。それが日課としているゴミ空き缶拾いをするだけで知り合いがどんどん増えているというのです。特別に愛想を良くしたりしていないのです。ただ「腰痛には医者に行くより歩くのが一番」と言う事から始めただけです。どうです。簡単でしょう。特別な才能はいりません。自分は○○と言うPRもしません。でもみんなに名前が知れ渡ってしまったのです。こんなんでお客が増えるなら誰でもやってみる価値がありそうです。それを徹底的にしたのがイエローハット創業者の鍵山秀一郎さんです。新規開拓はしないで一代で大きくなったと聞きました。今は全国に「掃除に学ぶ会」があります。ここで学んだ人達の中からも成功者が出ています。荒れた学校が掃除でよくなった例も沢山あるとのことです。そう言う人の本も出ています。このくらいなら誰でも実行出来そうです。こんな話を数店のお店の人に話した事があります。でも実行したと言う話は聞きません。彼がゴミ拾いをする前から言っています。実行している人があれば「表彰」されているかも知れないのです。大部分のお店は出来ない模様。出来ない理由は「忙しい」からです。朝の忙しい時間帯に空き缶拾いとかゴミ拾いは「難しい」のが現実です。一つ頭が抜けるには誰も出来そうもない時間に誰も考えつかない方法で実行すると良い筈です。「あんた 人に言う前に自分が手本を示したらどうや」と言われそうです。そうです。ほんの少しだけ実行しています。僕のアパートの通路と前の道を「気が向いた時だけ」箒で掃いています。きまぐれですからお与えはありません。神様とやらも「きまぐれ」でなかなか応援してもらえないのが今の僕ちゃんです。