週刊店長情報 味噌ラーメンの味噌 2021.06.28
魚柄仁乃助の本の中で「うどんは打ち始めて15分位で食べられる」と出ています。我々はうどん屋をするのではないです。そこそこ美味しく食べられる物が出来ればいいのです。当方のラーメン作りも同じです。ラーメン屋をするつもりはないです。15分位でうどんが出来るのならラーメンも同じではないかと考えました。考えただけで実行には踏ん切りがつきません。スープの自製はそれほど大変ではないです。スープはだしと塩分濃度を気にするだけでいいです。通常はカツオと昆布。これが鉄板ですが実際に作ってみるとカツオが昆布の前に出すぎます。僕の作り方に問題があるのは承知。昆布の量を増やしてみました。これでもしっくりこないので他の削り節も試してみました。さばが結構相性が良かったです。サバに煮干しとかも加えてみました。これも行けそうでした。今は混合削り節と昆布で作っています。僕の作り方だと誰でも簡単に作ることが出来ます。勘とか経験とか熟練の技は必要あれません。
麺の自製は難しいと考えます。うどんとかそば打ちを趣味にしている人がいるのは知っています。でもラーメン打ちを趣味にしている人はあまり聞きません。馴染みがないのはきつと「かんすい」のせいだとみています。一般の人はかんすいって聞いただけで判りません。と言う僕も判りませんでした。かんすいについては以前に店長情報で上げたことが有ります。実際にかん水を手に入れる事は可能です。取り扱っている重曹 セスキ炭酸ソーダで代用できそうです。粉はこだわり全粒粉があります。でもこれは中力粉。初めからいきなりは無謀でしょう。ここは強力粉で行く事に。
かんすいを使うのは日本で生まれたラーメン製法です。本場中国では使わないんだとか。製法も違うそうです。中国では手で引っ張って伸ばすのに対して日本は押し出して平たくして包丁などできります。かん水のアルカリはグルテンに作用して麺の弾力 歯触り コシが強くなります。その上小麦粉中のフラボノイドが黄色に変色するのです。無かんすい麺は中国本場作りと言う事に。
日本でのラーメンは中国から伝播したものですが全国にいろいろなラーメンが出来ました。醤油ラーメンは東京浅草の来々軒。とんこつラーメンは福岡久留米の南京千両と言う店。味噌ラーメンは北海道札幌市の味の三平 味噌汁から研究して出来上がったらしい。
この所毎週 強力粉で製麺しています。まだまだ人に食べさせる所まで言っていません。要領をつかむのに必死状態です。出来損ないでうどんに近いです。うどんと違うのは麺が「つるつる」の点。これはきっとアルカリの重曹のせいだろうと判断しています。
父の日に下の息子夫婦が来たので前回醤油ラーメンを出した所、お嫁さんが「みそラーメンの方が好き」と言う事で今回は味噌ラーメンを作る事に。味噌ラーメンは通常作りません。好みの問題です。作って食べてもらいました。まずくはなかったみたい。
ラーメン屋の味噌ラーメンは味噌を選べません。味噌っていろいろ種類があるのに。当方取扱の味噌でも数種類あります。代表的な物でも白味噌、麦みそ、米麹の味噌、合わせ味噌等があります。それぞれの味噌を使ったラーメンは別々の風味がする筈です。ラーメン屋で味噌を数種類用意して客の要望に応じて対応することは可能だとみています。でもそんな店は皆無。
ラーメン屋のキャッチコピーを見ていると何に力を入れているか判ります。「自慢のスープ」「自慢の厚切りチャ―シュ」「自家製麺」「縮れ麺」「ストレート麺」「極太」特別な味噌で作った味噌ラーメンを売りにしているラーメン屋はありません。
味噌ラーメンに使う味噌をマルカワ味噌に聞いてみました。マルカワさんは福井県の八番ラーメンの味噌を作っていたことが有るのを知っていたからです。返事は「合わせ」だと聞きました。
合わせ味噌は誰にでも美味しく感じる味噌だと納得。結局ラーメン屋では味噌はこだわりの対象ではないのです。美味しいラーメンを食べたい場合は自製するしか方法はないです。