週刊店長情報 ラーメン屋のスープ 23 5 16
毎週 救援品を送り続けています。テレビでは「もう満杯」との報道。救援品の内容はミスマッチの模様。本当に必要なものは「春夏秋冬季節を問わず。老いも若きも男も女も使えるもの」でしょう。今集めている雑巾になるタオルなんかはいくらあってもいいものです。スコップも余っているという話は聞きません。と言っても普通では送れません。送料がスコップより高くついてしまうのです。当方ならスコップ5本400円で済みます。行政は集めるのは大掛かりですが細かい対応はできない。数百人単位の対応はできるのですが数人単位の対応は難しいのです。当方は一人ではないです。ふりかけ隊のメンバーもいます。一部のお店からの申し出もあります。スコップ、タオルをわざわざ買ってくれて持ってきてくれた人もいます。集まったタオルの中にブランド品も沢山ありました。「こりぁ 俺が欲しい」と思いつつ荷造りした物も。けっしてねこばばしません。
集めてくれたふりかけ隊の女性メンバーにラーメンをおごることに。彼女とは美容師の母親の代からの付き合いです。いつも行く店は彼女の家の近くの中国レストラン。今は知りませんが中国料理研究会の会長を務めていました。今回は僕たち以外誰もお客さんがいなかったことから出汁について聞きました。テレビでは繁盛しているラーメン屋の特集があったりします。ここで出てくるのがスープ作りの苦労話。でも「何でか」という理由は説明していません。理屈こきの当方は美味しさを説明できないとダメだといつも言っています。「これ 美味しい」というだけではだめなのです。美味しさの秘密を説明できてこそプロ?ラーメンのスープ作りに時間がかかるのは判るのですが理由が判らなかったのです。「何で豚骨なの」と聞くと「鶏ガラもいいんだがスープが濁るので当方は使っていない」豚骨スープは透き通るのだそうです。使うのはすねの部分。「頭は別の料理に使うからスープ作りには使わない」更に「中国料理では昔から牛は使わない。何でか判らない。牛は中国では貴重な働き手だからだろう」インドでも牛は食べない。ひょっとして寄生虫のせいかも知れません。「時間をかけるのは」と聞くと「スープの成分は時間をかけると中の成分 髄液が沁み出てくるからです」今まで骨の外に付いているわずかの肉が溶け込むのかと思っていましたが骨の中に含まれているコラーゲン成分等が少しずつ溶けだす為だそうです。「判ったつもりか何だかしらないがこだわりと称して骨をのこぎりで切ってスープ取りをする人がいる」この場合スープは一回しか取れないと言います。「スープ取りをしているときに火力を落としてしまうと エキスが骨にまた戻ってしまう」今までここまで説明してくれた人はいません。「誰もそんなことをラーメン食べに来て聞かん」と件の女性。その上「化学調味料は?」本当はこういう事を店主に聞く人はいないでしょう。「だから あんたは嫌われる」彼女とは家族同然の付き合いです。いつも特別メニュを出してくれます。「調味料については、いろいろな物を試してみた。ハイミーから始まって味の素まで いろいろ試してみて今は味の素を使っている」味の素が一番合うという。自然食品店の皆さんだと「化学調味料を使っているのはダメ」というかも知れません。でもスープだけでは美味しさに満足しない調理人なのです。プロは美味しくなければお金をもらえないのです。たとえもらえたとしても一回だけではだめです。続けて食べに来てもらえなければいけないのです。味の素の原料はトーモロコシとかです。植物由来だと言っても誰も信じない。ついでに言えば石油も植物由来です。講義代金はないですが「ふかひれスープ」を注文。奥さんが「ふかひれとか海燕の巣というのは昔 貴重品だった。取るのに大変な苦労だったから」と説明してくれました。ふかひれ自体は無味。「じゃあ何で」と聞くと「コラーゲン。美容にいい」と店主。ふかひれ料理に使うひれはジンベサメのもの。生まれて初めてふかひれスープを彼女と半分づつ飲みました。美味しかった