週間店長情報 AIが生活を変える?2023.12.04
僕が印刷屋を目指した理由は活字に囲まれる生活に憧れていたからです。他人の書いた文章を校正する作業が好きなんです。校正のプロになれればもっとグッドという考えでした。写真植字と言う仕事も気に入っていました。活版印刷もありましたが写植のほうが知的に見えます。勤めた会社はいわゆる「端物」というものの写植が主な仕事でした。一番多かった仕事はチラシの版下原稿の写植依頼でした。中でも多かったのはスーパーのチラシでした。スーパーが飛ぶ鳥を落とす勢いの時代のチラシはどんどん増えていきました。スーパーの新規開店の折込チラシの写植がほとんど毎週入稿してきました。「この仕事で僕の一生は終わるんだろうなぁ」と思っていました。
同僚は全部20歳台。年寄りは社長ぐらい。と言っても40歳台です。若い人達だけの会社という事になるのでしょう。個人で頼みに来る人もありました。個人というのは主に学生です。デザイン学校の生徒が多かったです。ある時若い女学生に社長がぺこぺこしている現場を見て「こんな小娘に大の大人がぺこぺこする商売の将来性は無い」と思ったのです。自分の未来がこんなんではいやだと。結果会社を辞めました。これが無ければ印刷屋を開業していたかも知れません。今の印刷業界を見ていると印刷屋をしなくてよかったと思っています。印刷屋を開業しても廃業するのが眼に見えています。写植機はパソコンで代用できる時代になっています。
昔の学者は海外の文献を翻訳して紹介するのが仕事でした。翻訳しただけで学位論文がもらえた時代があったのです。一般人は大学には入れなかった時代の話です。
翻訳家も高収入だったと聞きました。翻訳家に話を聞いたことがあります。重曹ブームの火付け役の一人佐光紀子さんです。当方のセミナー講師でした。彼女の話を聞くとAIの事を理解できるかもしれません。彼女は帰国子女彼女。翻訳の仕事が旨みのある仕事でなくなった現状を教えてもらいました。原因はパソコンに自動翻訳機能が付いたからです。自動翻訳機能で翻訳した文章の校正の依頼に変わってきたと言うのです。手直しでもかなり時間がかかるそうです。手直しのほうがより専門性が求められると言います。その上ギャラは少なくなったのです。
通訳の仕事も同じ運命をたどるかも知れません。ここでも携帯自動音声翻訳機が出来ています。これだと通訳がいなくても海外旅行が出来るのです。英語が出来なくても海外に行けるなんて誰も考えられなかったのです。音声認識機能は便利です。「○○の行きたい」というだけで良いのです。
パソコンもそうです。僕がパソコンを使って仕事をするとは全く考えられなかったです。全くその気が無かったのも事実。必要だと考え手いませんでした。付き合いのある化粧品の講習仲間の男性美容師が「今どき パソコンも出来ないなんて 機関銃に向かって斧で立ち向かうようなもんだ」と言うのです。決心してパソコンを買うことになりました。初めは悪戦苦闘大変でした。僕がパソコンを買った事を知ったグリーンアイズの森口さんが「これ使え」と貸してくれたのが「販売王」ソフト。これを使い始めて伝票発行が簡単になりました。それまでは手書きで納品書を書いていました。日配品の取扱いを始めた時期だったので毎週の伝票作りが大変だったのです。この仕事が劇的に解消したのです。今だとアイテムが多くて手書き伝票では不可能でょう。
AIは便利な物になりそうです。今まで大変だった作業が誰でも簡単に出来るようになるのです。今まで特殊技能だったものが誰でも簡単に使えるようになるのです。かなりの専門家の仕事がなくなるのです。今まで高給で優遇されていた人の仕事が減少するのです。全部なくなると言いたいですがなくなることはないと見ています。翻訳家の仕事と一緒です。大体のことは出来ても全部任せられないのです。より専門性の高い技術とか才能が必要になりそうです。簡単な文章は誰でも書けるのですが誰も読まない文章になる可能性もあるのです。年賀状がそうです。若い人は出さないです。みんな同じだからです。誰でも同じでない読みたい年賀状がこれからのウリです。