週間店長情報 昔あって今は見つからないもの 2023.08.21
化粧品の卸先は初めは美容室でした。バイクで廻っていました。毎日バイクに乗っていると顔は陽に焼けて真っ黒。そんな中で「この化粧品を使うと肌が白くなる」と売り込んでいたのです。真っ黒の肌をした僕が白くなると言うのです。しっかりインチキでしょう。美容室というのは独特の臭いがします。パーマ液の臭いです。初めはこれに閉口 今までにない経験だったからです。美容室にはいろいろな業者が入っています。一番は材料屋です。美容師にとっては一番のお気に入りです。僕ら化粧品屋は序列ではビリのほうです。当時カバーマーク化粧品というがありました。今は看板を見る事はないです。イオナと言うもありました。イオナはテレビ宣伝をしていました。原料は当方取り扱いの化粧品と同じ物です・イオナは10000円当方は1600円 この差を宣伝して取扱店を増やしていきました。イオナって今は売っている店は皆無。当方の化粧品パナールの取扱店も全く見かけません。絶滅化粧品です。当方しか取扱っていないからです。競争相手はありません。727化粧品というのもありましたがこれも今は見当たりません。材料屋は当時安泰でした。問屋のセールスが頻繁に独立しました。40軒ぐらいのお店があれば誰でも独立できるのです。ちょっと話上手なセールスだと簡単に独立出来たのです。毎週廻っているお店にお客さんになってもらうのです。僕のように材料屋に勤めていないで美容室の開拓をするのは稀です。福井で50軒ぐらいのお店の取引先が出来た頃材料屋をやろうと考えた事があります。材料屋の一次問屋の知り合いがいたのでその気になればすぐに出来たのです。材料屋にならなくて良かったです。今美容材料は激安通販が当たり前です。その為材料屋は大苦戦状態です。印刷屋になり損ねた僕は材料屋になってもしくじる事確実でした。
材料屋を始めようと考えた頃京都で自然食品店が沢山出来たのです。僕は「見ていただけ」でした。焙煎屋に勤めていた森口さんが無農薬コーヒーの焙煎を一人で始めた頃よく店で会いました。無農薬茶の片木さんともその頃知り合ったのです。コーヒー屋の森口さんは営業上手。僕とは雲泥の差です。彼は新しく出来た店とほとんど取引できたのです。彼は「あんたでは開拓無理だろう。怪しく思われる。僕が梅雨払いをした後訪問すると取引できる」といわれ 露払いをしてくれた店を訪問すると彼の信用が物を言って次々取引できました。
化粧品にも変遷がありました。40年ぐらい前は化粧品屋にはふき取り消し化粧水がありました。数年前取り扱いの化粧品製造がふき取り化粧水を発売しました。その時ふき取り化粧水を取扱っている店を探しました。化粧品店 薬局 自然食品店 美容室で取扱っている店はありませんでした。ふき取り化粧水は収斂作用があります。肌を引き締めるのです。昔クーラーの無かった時代顔がほてるので使われたと推測します。今クーラーの無い家を探すのは生活保護世帯ぐらいです。
他にも今は見当たらないアイテムがあります。脂性肌用化粧水 昔はノーマル ドライ オイリー化粧水が一般的でした。今オイリー肌化粧水の取扱いをしている店はほとんどありません。代って弱酸性化粧品が幅を利かせています。過敏肌の人が増えた為です。
そういえば公衆電話もほとんど見かけません。30年以上前は到る所にありましたが携帯電話の普及で淘汰されたのです。電話に付けるオルゴールも見かけません。商売を始めた頃良く売れた商品です。結婚前に重宝していた留守番電話も今はありません。全部電話機に内蔵されるようになってしまったのです。
時代と共に消えていく物 新しく出てくる物 いろいろです。当方の取扱商品も増えていきました。化粧品だけだったのが無添加食品の取り扱いが増え続けています。中には材料持込で製造してもらって販売しているアイテムもあります。当方のようなちっぽけな卸でもPBが作れるのです。「昔そんな店あったなぁ」と言われない卸しとか店になりたいものです。