週間店長情報 寿司ロボットVS寿司職人 2022.03.29
刃物の話をしようとホームセンターで刃物を見学。更にネットでもいろいろ検索。「これなら1本書けそう」となりました。毎週こんな感じで店長情報を仕上げています。それが急に気が変わりました。移り気の多い僕です。福井への帰りの運転中にふっと浮かんだのです。「ひょっとしてこんな対決があったら面白いかも」と浮かんだフレーズがタイトルです。刃物の話とどちらが面白いか検討した結果 寿司対決のほうが面白そうです。どう展開するか予測が出来ません。ここから先は台本なしの話になります。
ロボットと職人では軍配は職人にあがると誰もが考えます。寿司ロボットの寿司は回転寿司とかスーパー コンビ二で販売されています。知ったのは甥っ子が惣菜屋に勤めて寿司ロボットを使っていると聞いたのが初めです。何かの展示会で実物を見た事があります。ロボット本体の価格も今は30万円ぐらいだと聞きました。30万円くらいならちょっと大きな自然食品店でも導入できるかもしれないと考えるのは僕だけではないでしょう。
職人の技術は捨てがたいです。一人前になるのに数年かかります。それを否定する気はないです。この話を思いついたのは水嶋シェフの話を思い出したからです。その時ハンバーグは手ごねしないと聞きました。先生の話は科学的です。手ごねしていけない訳は「肉(たんぱく質)は熱変性」するからです。その為手ごねしてはいけないというのです。それを信じて今は手打ちラーメン作りでも手ごねしてしません。「そんなバカな。手でこねないでラーメンはできん筈」と言われそうです。「だって手が汚れる」じゃないですか。
初めは手で捏ねていました。それがここ1ヶ月前ぐらいから手を汚さない方法を実践しています。「おめぇ かなりのだわんもん(方言)」じゃないです。小麦粉と玉子を混ぜ合わせると手がかなり汚れます。洗っても汚れはなかなか取れません。手を汚さないやり方をすると楽ちんです
手を汚さないラーメン作りの話をするつもりはありません。手で捏ねないとたんぱく質の熱変性が起きないのです。寿司職人は手で寿司を握ります。職人の手は温かくないとはいえません。人にもよりますが人間の手は摂氏零度ではないです。握る時だけ寿司職人の手の温度が零度になると聞いた事がありません。ロボットの方は寿司職人の手の温度より低いと判断します。魚はたんぱく質。
シャリの握り加減はどうでしょうか。これは職人の方に軍配が上がりそうです。でも今のロボットは職人の握りと同じ握り加減になっています。職人はその日の気分とか体調によって微妙に握り加減が変わります。ロボットは気分に左右されません。同じ握り加減の寿司を均一に作るという点ではロボットに軍配が上がります。数百個を作ってもロボットはばてません。
ネタはどうでしょうか?これは寿司職人の目利きが確かでしょう。ネタの目利きはロボットには出来ません。これはロボットを管理する会社とか店の仕入れ担当者の問題です。ロボットを使う店は寿司屋より大きな会社がほとんどです。寿司屋と仕入れ量が違いすぎると見ています。そうすると大量仕入れで良いネタが安く仕入れられると考えるのが普通です。
その他米と調味料。これはどちらともいえません。寿司屋は吟味した調味料を使っている筈です。ロボットを使う店とか会社が寿司屋と同じ米 調味料を使えば差がなくなります。
寿司の握り具合は甲乙付けがたいでしょう。シャリの重さの均一についてはロボットでしょう。酢飯の均一についてもロボットに軍配が上がりそう。職人は毎日の気温とか湿度の変化を肌で感じて微妙に握り具合を変えます。これにはロボットは適いません。
どちらが美味しいかは食べ比べてみるしか手がありません。一流寿司屋の寿司とロボットで作った寿司を公開の場で目隠しして数十人の人に食べ比べるとはっきりするでしょう。ロボットが負けないかも。こんなの誰か企画して欲しい気分です。