週間店長情報 商売に化粧を施す?2023.03.06
化粧品と付き合い始めて40年以上になりました。和歌山の同業者の紹介です。同業者は靴卸の経験がある人でした。卸の素人の僕はどうしていいのか判りません。彼は「息子でも出来る商売をする」と美容室への委託販売を始めたのです。委託販売なら「誰でも出来る」筈でしたがそんなにうまくいきません。同業者は10軒訪問して8軒置いてくるのです。僕は10軒訪問して1軒がいいところです。経験がないのですから。卸と小売は違うのです。
化粧品の取り扱いが数年経った時、メーカーが薬事法違反に訴えられました。僕らは化粧品を主に販売していましたが取扱商品に健康食品があったのです。健康食品の販売方法が薬事法違反。ダメージは大きかったです。これがきっかけに美容室以外の販路を考えるようになりました。それが自然食品業界とのつながりの始まりです。自然食品業界でびっくりしたのは定価が無い商品が沢山あることです。野菜、果物 所謂日配品と呼ばれている販売商品はこちらで販売価格を決めなければいけないのです。化粧品は定価があるのが普通です。
アトピーの講演会にもいろいろいきました。別の化粧品メーカーとも取引を始めました。このメーカーはアトピー肌対処が出来る化粧品を販売していました。自然食品業界のアトピー対処法は食に関する方法です。この化粧品メーカーの対処法はスキンケアがメインです。両方勉強できる場所はなかったです。化粧品メーカーの関西で一番販売している人が僕と仲良くなりました。彼女は「スキンケアは判っても食品はわからなかった」のです。講習後は社長と喫茶でお茶をするんですが何時も僕らは隣同士、席の前に社長、周りは全部講習仲間です。と言っても全部女性。男性は僕だけです。注目される事は無く隣の女性にみんな近づきたかったのです。僕はおじゃまむしでした。
彼女の店に訪問した事もあります。その時資○堂が出している化粧品の作り方の本も見せてもらいました。昔の事なのではっきりと覚えていませんが作り方のところをコピーしてもらったかもしれません。グラム単位で書いてある本でした。化粧品全部ですよ。
アトピー化粧品のメーカーの社長には「世阿弥」家伝の書を読む事を勧められました。今も偶に週間店長情報に使っています。社長はこれを読んで「商売の事、人生の事、お化粧の事」を勉強すると良いというのです。勉強の仕方も教えてくれました。真剣に読まない事です。
人生の事については無能唱元の人蕩術が参考になりました。般若心経の六波羅蜜の修行の方法で布施だけの論で展開した本です。「魅は与によって生じ、求によって滅する」は名言だと思っています。この一文を実際の例をあげて説明している本でした。三部作の本は一万円。僕が買ったのは千円ぐらいでした。後の二部は古本屋で買ったかもしれません。
「私のありのまま」を見て欲しいという人を自然食品店で見かけます。若い人はありのままでいいのです。しかし還暦すぎるとありのままは良いとは言えません。化粧品っけなしの老婦人でもステキに見える人がいるのは事実です。大分部はそうではないです。世阿弥は熟練の仕手の年寄りが素面で踊るのは「きたなし」と書いています。反対は「稚児の舞」稚児のよちよち舞いには熟練者は勝てないのです。新規開店の店がそれに近いです。
商売にも華が必要だと考えています。僕は地味な人間です。服装も地味です。その上話も地味です。20年以上前はブレザー、赤いネクタイでした。世阿弥の本を読んで「俺 茶髪にしよう」となったのです。それがヘナとの出会いに繋がったのです。茶髪にしたら近づく人の態度が大変化。
美容室と10年以上付きあっていましたが僕の髪の毛を美容師に触られた事はなかったですが茶髪にした途端僕の髪の毛を簡単に触るのです。びっくりしたのを覚えています。
店も商売は綺麗なだけではいけないと思っています。綺麗は常識 それ以外の何かが必要ではないでしようか。その何かを付け足したら店はオオバケしそうです。何かは誰も教えてくれない。