週間店長情報 お刺身 お造り どっち?? 2021.12.20
何でお刺身とかお造りと言うのでしょうか?「おめぇ またどうでも良い事を」と言われそうです。日本は四方を海に囲まれているので新鮮な魚が手に入ります。生の魚を食べるのは当たり前?。
生の魚を食べるのは醤油が出来てからではなさそうです。醤油は確か江戸時代です。それまではどうやって魚を食べていたのか知りたくなり調べる事に。
醤油以前の魚を生で食べるのは膾(なます)。膾と言う漢字は中国語 中国では肉や野菜を生食する習慣は疫病の流行などで早くから廃れて漢字だけが残っている。
醤油以前は生姜酢 辛し酢 煎り酒(削り節 梅干 酒 水 溜まりを合わせて煮詰めた物)など、なますで食べられた。「切り身」ではなく「刺身」と呼ばれるようになったのは切り身にしてしまうと魚の種類が判らなくなるので魚の尻尾を切り身にさして示したことから。一説には「切る」を忌み言葉として避けて「刺す」を使ったと言う説もある。
刺身に良く似た料理に「打ち身」がある。打ち身は刺身より分厚く切り盛り付けに鰭だけでなく皮や中落ちまでも利用する。調理法が多彩で複雑だった事から刺身の普及と共に廃れた。
関西では魚を切る事を「作り身」といいそれに接頭語の「お」をつけて「お造り」と言う言葉が生まれた。懐石や会席料理などの場合はお膳の向こう側に置かれる事から「向付」(むこうづけ)と呼ばれる。これは聞いた事があるでしょう。
煎り酒に興味があります。実際に作ってお造りを食べたいと思っています。これってかなりの減塩です。塩分は鰹節の中に入っている塩分と梅干の塩分だけです。
生の魚を食べる国は日本だけではないと思い調べる事に。
ヨーロッパ
フランス イタリアでは酢牡蛎 生牡蠣が食べられる
北アジア
アムール川流域に住むナナイには凍った薄切りの刺身を食べる習慣がある。
ヤクート料理には冷凍された生魚の薄切りであるストロガニナがあり馬肉も同様にして食べる。
東アジア
中国福建省の清流県や寧化県にはソウギョの刺身を食べる習慣がある。ソウギョは有棘顎口虫が寄生している事が多いがこの両県に棲むソウギョは寄生していないと言われて食べられている。
韓国では蛸足の活き作りであるサンナクチが食べられている。咀嚼が不十分な場合吸盤が気道に吸い付いて窒息する場合があるので他国では危険な料理として知られている。
全羅道ではガンギエイを発酵させた物を刺身や切り身にしたホンホフェが名物料理です。
東南アジア
シンガポールやマレーシヤの華人は旧正月の7日にユーサーン(魚生)を食べる習慣がある。
フィリピンではキニラウと言う料理がある。カジキ鮪や鰆などの海水魚を切り身にして酢でしめ塩、生姜、シークワーサー、玉ねぎ、きゅうり、ココナツミルクなどでマリネする。
太平洋地域
ハワイにはポケと呼ばれる刺身料理があります。鮪や赤身の魚が主。生鮭を使ったロミロサーモンと言う料理がある。ロミロとは揉み込みの意味。
アメリカ
ペリーやチリではセビチェという料理がある。湯引きしたものやマリネ状にした物、生のうにや白身魚のような魚介類をライムや塩、生姜などの薬味、チリソースなどであえて食べる。
お刺身とかお造りとか言うより世界に眼を向ける必要ありそうです。了見が狭い僕。