週刊店長情報 競合のない店 1 6 10
携帯に「お久し振りです。福井の○○です」との電話。思い当たる人はいません。「デザートとしてぷるっこを検討している」との話。「僕 福井で牛タン専門店をしています」と聞いて初めて合点。また従兄の家で会った人です。その人とは親しくしています。入院中は毎週お見舞いに来てくれました。電話主は彼の奥さんの弟の息子だったのです。会ったことは記憶にありますが挨拶程度。「会って話をしたい。福井の僕の店に来てもらえませんか」というので「金曜日なら福井に行くのでその時に廻る」と返事。返答したものの結構きついスケジュール。31日は月末支払い日です。支払いの振り込みを済ましてから福井に。薬局にもいくことになっていますし家内との約束があります。帰りに「田んぼの天使」(お米)をとりにいくというスケジュール。
彼の店は福井市の郊外にありました。訪問時店はランチタイム終了時。話を聞くことに。
脱サラして牛タン店を開業。1年半が経過。毎日バタバタで忙しい。儲けはサラリーマン時代とあまり変わらない。「せっかく脱サラしたのにこれでは意味がない」これからどうすべきかいろいろ悩んでいるらしい。「いろいろ企画して売り上げを上げていきたい。デザートもその一つ」「何で牛タン店」と聞けば「福井市で牛タン専門店がなかったから」と言うのです。
昼は定食メニュー。その日のランチは15人。「この倍以上は来て欲しい」と彼。夜は酒場なので酒を飲んでタン料理を食べて欲しいのだが現実はごはん物が売れているというのです。僕は「長所伸展法」を説明。売れている物のアイテムと在庫を増やすという方法。郊外店だと車で来店しても酒を飲むのは難しいのが現実でしょう。酒場は車で来店というのが難しい時代になっています。
「何で競争相手が出ないのか」検討。牛タン店が大繁盛するならすぐに競合が現れるのが世の常、現れないのは「儲けるのが難しい」からでしょう。彼が儲かる方法が見つければすぐに真似される筈。一定の需要はあるはずなので「閑古鳥」状態にはならないでしょうが大儲けは難しいと考えるのが普通です。ぼちぼちなら続けられるはずです。焼き肉店はたくさんあります。それでも新規参入があるのが現実。きっと利益を出しやすいからでしょう。
開店して1年半 売り上げの伸びが止まったという事は「開店人気終了」状態。開店初期は物珍しさもあって繁盛するのです。世阿弥家伝の書では「稚児の舞」の部類です。新規開店しての繁盛は店の実力ではないのです。これからが勝負なのです。来店した人が「美味しかった。又来たい」とか「友人に紹介したい」となれば繁盛間違いなしです。
昔美容室を回っていた時に美容師に三タイプあることを教えてもらいました。一つ目はヘアファッションに関心があるタイプ。二つ目はヘアケア髪の健康に関心があるタイプです。三つ目は経営と言うか金儲けに関心があるタイプ。客の頭を見ると紙幣に見える人がいるのです。
彼は牛タンに特別に思い入れがあるわけではなさそう。料理が大好きでもなさそう。家で料理を作った事はなかったというぐらいです。タイプ的には経営と言うか商売に関心があるタイプです。
タイプ別に考える方法は皆さんにも当てはまりそうです。自然食品に関心がある人 健康に関心がある人 自然食品経営に関心がある人と言う区分けが出来そうです。あなたはどのタイプ?
牛タン専門店は単品取扱店と同じです。自然食品店なら「超こだわりの店」と言う事になります。
競合相手が出ない「超こだわりの店」の取扱品は全部有機又は無農薬。肉も調味料も有機のみ 玉子は平飼いだけ 砂糖も有機のみ 塩は海水由来のみ お菓子も全部有機原料使用のみ。国産無添加だけでは取扱いません。低農薬とか減農薬の物も全くない店です。店名の理想は「有機だけ屋」判りやすいでしょう。これだとこだわっている人だけが来店するのです。30年以上前に合った「オーサワ」取扱店がこれに近いです。これで大繁盛ならすぐに真似されるでしょう。現実は「経営が成り立たない」ので妥協しているのです。誰か「有機だけ屋」やってみませんか?