週刊店長情報 聞いてはいけない 親の意見 24 4 30
年寄りの知恵は昔から大切だと言われています。あまのじゃくの僕は親の言う事はほとんど聞かないでここまで生きてきました。「公務員がいい」「教師は」「郵便局は」全部「いや」と言いました。だからって言うわけではないです。若くない僕たちは知識と経験が若い人たちより多い筈です。中には「私の知識と経験を若い人達に教えたい」と自宅に若い人たちを集めて勉強会をしている人があるのも知っています。伝統工芸士とか人間国宝 果てはモノづくりの名人までこの国には素晴らしい技を持った人たちがいます。この場合は「後世に技を伝えたい」と言うのは有効でしょう。我々の世界だとどうでしょうか。自然食品店は比較的新しい商売です。知識は多岐にわたっています。これを覚えるのは結構大変と言うか時間がかかりそうです。このくらいの知識は後世に伝えたいとは言えないでしょう。書籍を読めば誰でも判る筈です。物作りはそうはいきません。「コーヒーの味が今までと少し違うように思う」と言う話を時々聞きます。10年以上同じメーカーのコーヒーを飲んでいる人たちが結構いるので違いが判るのです。当方取扱コーヒーは焙煎する人が変わりました。息子さんが焙煎しています。20年以上焙煎している人の指導と助言で焼いていますが同じにはならないのです。以前と同じになるにはあと数年はかかるでしょう。これだって今後どうなるか判りません。本人が熟練しても豆の状態が今まで想定しない場合は先人の知恵は役に立たないかも。人生の中ではそういう事が度々起こります。今までと同じ状態の事が起きれば年寄りとか親達の意見が役に立ちます。僕たちの経験した事が次の人たちに役に立つ知識はあまり多くはなさそうです。と言う僕でも今までの経験が役に立たない事態に遭遇する事も多いのです。商売は次々と知らない事に挑戦し続けなければいけないのかも知れません。自分の守備範囲だけの商売では付き合っているお店の人に飽きられそうです。「ナカショウはいつも同じ話だけしかしない」ではいけないのです。自分の守備範囲と言えば操体法をはじめ 無添加食品 その他健康法についてとかアトピー肌の処置とか多岐にわたっていますが全部を公開出来ていない知識があるのも事実です。関心があれば話しますが。これとても本があるので誰でも勉強が可能です。親が「わしの言うとおりに商売すれば間違いない」と言うノウハウは技術ではあまりなさそうです。時代の変化に対応するのが商売だからです。来年に起きる事は親 年寄りは判らないのです。昔の狂乱物価が同じようには起きないのです。今度起きるかもしれないインフレもきっと今までと同じ状況ではない筈です。そうすると親たちが「自分たちの知識と経験」を後世に伝えても役に立たないのです。昔と違うのに昔と同じ対処法では対応不可能でしょう。昔の知識が役に立つなら株をやって何十年の人はみんな大儲けをしている筈です。株の儲けの理屈は簡単です。でも何十年も続けていても損をしたりするのです。先人の知識と経験が役に立っているなら誰でも真似をすれば大儲けする筈です。むしろ役に立つのは精神面でしょう。これは役に立つのですが実行して結果を出した場合に限られそうです。精神的な部分は素直に実行出来ないのです。「こういう気持ちで商売をしたら」と親達。でもそういう気持ちになる方法が無い又は教えてくれないのです。いろいろやってみて親達の想いが判るのには経験を積むしかしょうが無いのです。自分の息子は「判りがいい」と思っても親達との知識と経験のベクトルが違うのです。違っているベクトルでは結果が同じにはならないのです。当方は老人ホームへ16年近く行っています。その中でいろいろな人が参加してくれました。でもそれぞれ想いは違っていたのです。すぐ結果を求める人もいました。また「交通費ぐらいでないの」と言う人もいました。無償の行動がいいのは誰でも判っています。でも実行となるとそれぞれの考えが違うのです。この考えを「こうだよ」と言う事は難しいです。言っても「判った」とはならないです。結局自分で「判る」しかないのです。親の言う精神的な教えは有効ですが大部分の意見と知識は役に立たないのです。「親風邪は役立たず」が現実。