週刊店長情報 究極の「身体に優しい靴下」 25 3 4
靴下を研究している人はほとんどいません。メーカーは別です。メーカーの関心のあるのは「どんな靴下が売れるか」なのです。五本指でない筒状の靴下には問題があります。老人ホームでお年寄りの足のマッサージを続けています。靴下を見る機会がありますがびっくりします。問題点があるのは一目瞭然なのです。五本指靴下について話を絞ります。五本指靴下は日本ではよく売れていますが世界ではまだまだマイナーな存在です。五本指の靴下は軍手の編み機で作っていましたが今は専用の編み機で左右別々に作られる編み機が主流です。編み機メーカーは和歌山に1社だけあります。この会社が編み機を中国に技術者と共に販売してしまった為価格があっという間に下落しました。絹でも安くなっているのが現状です。五本指靴下は 綿 絹 その他の物が流通しています。綿と絹では絹の方が身体に優しいです。絹は吸湿性と放出性があるからです。絹は人間の皮膚と同じたんぱく質です。絹の靴下にも欠点があります。破れやすいのが一番。これは誰でも指摘しますが更に欠点を探すと裏糸(皮膚に当たる方)がナイロンポリウレタンになっている事です。これを解消するには裏返して履く事です。見た目は「不細工」です。当方は不細工を承知で「裏返し靴下」作ってもらった事があります。メーカーは「売れない」と言っていました。結局廃番になってしまいました。メーカーもいいのは判っているのですが「売れない」物は続けられないのです。化繊でかぶれる人も裏返して履けば解決。靴下は縦糸と横糸で編んでいきます。縦糸が綿とか絹だと絹の靴下 綿の靴下となります。横糸はナイロンポリウレタンの伸縮糸です。伸縮糸の入っていない靴下は通常「ゾッキ仕上げ」と呼ばれています。ゾッキ仕上げの絹五本指靴下を見た事があります。伸縮糸が入っていない為「だらん」としています。足にフィットしないのです。「おやすみ靴下」としては有効かも。「ほんまもん」を求めている人たちがいます。絹でも不承知なのです。それだと動物性の糸を使った靴下です。絹は放出性がありますが私達の足と同じに伸びたり縮んだりしません。綿の靴下は水分を帯びる(一般的には汗)と収縮します。私達の足は水分を含むと膨らみます。乾燥すると収縮するのです。これに応えられるのは革です。人に優しいとなると小牛 豚とかミンクでしょう。豚の皮膚から作った糸で靴下を作るときっと「究極の人に優しい靴下」が出来る筈です。今のところ五本指靴下では市販されていません。これだと中国製の安価な靴下と差別化出来るでしょう。これでもまだ不承知の人が出るかも知れません。究極というぐらいですから「金に糸目はつけない覚悟のある」人達です。あるにはあるのですがかなり危険と言うか倫理に反するとかいろいろ意見がある為誰も口にしません。あえて言えばヒト由来の革を使った靴下です。おおコワ。