週刊店長情報 科学的生蕎麦の茹で方 2023.11.20
「いよ 出ました 科学的 おめぇ よっぽど科学が好きなんじゃなぁ」そういわれればそうかもしれません。科学とは誰がやっても同じ結果が出る事を言うらしい。名人だけにしか出来ないと言うのは科学ではないのです。才能とか関係ないのです。
何回も話をしている味噌汁とラーメンの塩分濃度の話も科学です。これは健康に関する事なので何べんでも話しています。「あんたに言われんでもちゃんと出来ている。うちの家族はみんな私の作った味噌汁を美味しいと言っている」と大分部の主婦は言います。料理でも同じことが言えるでしょう。それはご主人が優しいからです。又は「嫁はんと事を起こしたくない」からです。大部分のご主人は我慢しているのです。僕のように刺し身一切れだけ残して「もういらん」とか言わないでしょう。「なんで残り一切れぐらい食べんの」と家内は言います。僕の食べ方が身体に良いのです。野生動物は全部そうしています。満腹になっても食べるのは人間だけです。「食べ残すのが健康の秘訣」です。「もったいない」と言いますが健康のことを考えると食べ残す習慣をつける必要があるのです。一番いい方法はそれぞれが取り皿に食べられるだけ取り分ける食事です。こっちの方がベターです。老人ホームもそうすればいいと思っています。
蕎麦の茹で方を書いたことはないです。「何をいまさら」と言う方がほとんどでしょう。主婦は何十年 何十回にも作っているのです。「釈迦に説法」状態です。手打ちそばを作ったことが有ります。つなぎを二割入れた二八そばを作りましたが茹でると「プチプチ」と切れてしまうのです。それで沢山つなぎを入れた蕎麦にしました。「色はそば、味はうどん」のようなそばでした。素人が美味しさを求めていけないと感じました。
生芋そばを買ったお客さんから「ゆがくと切れてしまう」と言う苦情がきました。同じ事を自然食レストランの主から聞いたことが有ります。主は正食です。素人ではありません。こんな人でも切れるのです。今回金子さんにも話を聞きました。その前にいろいろ調べたことから茹でそばの科学があることを知りました。今までそばもうどんも茹で方は同じだと思っていたのです。
そばとうどんは別物です。出汁は同じでもいいです。ラーメンとうどん、そばの出汁は別物です。ひょっとして同じにしている人がいるかも「金笛春夏秋冬だしの素」は便利です。違いはラーメン出汁にはみりん砂糖は入っていません。うどん、そば出汁にはみりん砂糖が入っています。
うどん、ラーメンの原料は小麦です。小麦粉に水を入れてこねたり踏んだりするとグルテンが出来ます。これが粘りの本でしょう。これが有る為切れないのです。そば粉の主成分はデンプンです。デンプンは水を入れてこねても踏んでもグルテンは出来ません。
「今まで蕎麦を湯がいても切れたことはない」と言われる貴方はプロ又はつなぎの多く入っているそばをいつも使っているかどちらかです。つなぎが多ければうどんに近いのです。
ここからです。お湯の量はそばの重さの10倍以上必要です。お湯をぐらぐら沸騰させます。温度が低い場合も切れる原因になります。沸騰したお湯の中に蕎麦を投入。蕎麦は鍋底に沈みます。蕎麦の比重がお湯より高いからです。デンプンは水に入れると沈むのです。沈んだ状態でかき混ぜるのはバツ。混ぜると蕎麦は切れてしまいます。一分ぐらいすると蕎麦とお湯が混ざり合って糊状の物が蕎麦の外側に出来ます。これが出来ると比重が下がって浮き上がってきます。この糊状の物が出来ると蕎麦は切れなくなるのです。ここで蕎麦の対流を箸で助けてあげるのです。指定時間になったら水で絞めます。茹ですぎると糊状の物が出きすぎていわゆる「のびる」のです。絞める理由は余分のぬめりを取る為ですが蕎麦の中の余熱も取る意味もあります。余熱があると水を吸い込み糊状の物(ぬめり)が更に出来るからです。金子さんからは「たっぷりの高温のお湯で茹でればうまくいく」とアドバイスを受けました。これで貴方は蕎麦茹で名人?試してみる価値あり。