週間店長情報 ナイキ厚底シューズは高齢者を救う?2020.01.20
「おめぇ又へんなことを言うなぁ。前回禁止すべきと言っていたのを忘れたんか」「いや 忘れていません」「なら 何で真逆の事を言うんじゃ」「真逆ではありません。まあ聞いてつかあさい」
マスコミ報道でイギリスにある国際陸上連盟が「調査して結論を出す」と出ています。禁止になる可能性が出てきました。僕が言ったからではありません。と言う事で前回の続きを。
厚底シューズは爪先着地の選手が有利らしい。短距離選手は全部爪先着地です。それに対して長距離選手は大部分踵着地です。例外はアフリカ勢の長距離選手。理由は日常生活が爪先着地だからです。アフリカの幹線道路は舗装されていますがそれ以外は舗装されていないのです。舗装されていない道路を歩く時は全部爪先歩行になります。日本だって昭和の初めまでは大部分未舗装道路。ほとんどの人は爪先着地歩行。名残が「足半」あしなかと読みます。
親戚の葬式で履いたことがあります。30年以上前です。僕の田舎は家から百メートルぐらいの所に旦那寺。それから二百メートル先に火葬場があります。お墓は火葬場の奥にあります。葬式の時「野辺の送り」焼香と言うのをします。その後棺桶を担いで墓場まで担いでいくのです。この時に履いたのが半分の長さの草履。「何でだろう」と思ったものです。足と靴の勉強で数年診療所に通いました。その時の足と靴の先生(安積医師)の著書に足中がでていたのです。
今の日本人長距離ランナーは全部踵着地ですが一人だけ爪先着地の選手がいました。一昔前の中山何がしという選手です。名前を聞けば誰でも知っている有名選手です。出身が田舎育ち?か。
駅伝で一人1時間近く走ると足は変形します。30分くらいで2サイズ1センチ近く小さくなります。アーチが上がるからです。個人差はありますが大部分そうなります。30分経ったら靴を履き替えるのがベター。そんな事をするランナーはいません。その為シューズメーカーが個別対応した靴を処方するのです。ナイキの靴は特別処方ではありません。市販の靴そのものです。
足サイズが小さくなるとMP関節(こうやって表現すると専門家ぽっい)が曲がるのですがその部分と靴の曲がる部分(決まっています)がずれてしまうのです。特別処方の靴はこのずれを少なくするのでしょう。踵骨をホールド又はカウンターのしっかりした靴に改造するのかも。靴の中で小さくなった足の前すべりが起きないように改造するのです。
足が小さくなったら自動的に小さくなる靴があれば良いのでしょうがそんな靴はありません。と言いたいですが一つだけあります。布靴です。布は汗を含むと小さくなるのです。しかもアッパー(靴の甲部分)の屈曲部がありません。体育館シューズは布製です。子供は跳んだり跳ねたりします。そして沢山の汗をかきます。アーチが上がって汗で靴は小さくなるので良い靴なのかも知れません。と言うのが靴を少し勉強した僕の見解。当たっているかどうかは判りません。革靴は水分を含むと大きくなります。合皮の靴は変化しません。通常の歩行だと革靴に軍配が上がりそうです。
これからが本題。「あんたの話は長すぎる。ちゃっちゃっとやれ」と言われそうです。競技スポーツは装具とかは一定の基準が必要です。ボクシングには体重制限とグローブの大きさが決まっています。野球でも公式球があります。バットだって基準がある筈です。今の陸上競技はフェアーではないのです。靴 ウェアー 靴下 ヘッドギア 体重 に制限とか基準がないからです。
一般人の日常生活に使う装具とかウェアー、靴とかにフェアプレイ精神は必要ないです。「金持ちと貧乏人は平等に」と言うのは無用。「そんなんインチキ」と言うのもなしです。
高齢者の脚力は衰えているのです。「わけぇもんには負けん」と意気込んでいたところで勝ち目はありません。「テクニックとか経験がモノを言う」場合もあるでしょうが運動能力と言う点では無理です。ロボットスーツを着こなすと事態は一変「若ぇもんはだらしない。年寄りに負けるんでは」と言うこともありうるのです。ひょっとして厚底シューズは高齢者を救う?