週間店長情報手打ちは卒業 2021.1025
小学生の時体育の授業でフォークダンスがありました。これが不評。男女が手をつなぐのが理由。田舎ですから小学生の男女が手をつなぐのに慣れていなかったのです。何で手をつなぐのか判りませ。操体法の講習でいろいろな身体の事を書いてある本を漁りお勉強。ダンスについてもいろいろ探しました。フォークダンスだけでなく社交ダンスとかクラシックバレーも男女が手を繋いで踊ります。ヨーロッパとかスコットランド民謡とかも手を繋いで踊っているのを見たことがあります。
日本の場合は違います。盆踊り よさこいイッチョライ(福井県) 阿波踊り ソーラン節 ヤスキ節 全部男女が手を繋いで踊る事はないです。日本舞踊も手を繋いでと言うのを見たことがありません。歌舞伎で女形と野郎が手を繋いでというのも見た事がありません。
日本人と欧米人では手の考え方が違うのです。日本人にとって手は大切と言うか大事な物なのです。手にまつわる言葉は手打ちから始まって手始め 手締め 手作り 手回し 手にかける 手を焼く 手抜かり 物の本によると手に関係する言葉は足よりはるかに多いらしいです。
欧米は手に関する言葉より足に関する言葉のほうが多いのです。犬に日本人は「お手」と言いますが欧米人に「何ちゃらサドル」と言います。
この違いは農耕民族と狩猟民族の差です。長さ 重さの計測も日本は尺貫法 尺は手です。尋も手を伸ばした長さだと聞きました。欧米はフィート 一歩です。その他ヤードと言うのは棒のことです。家畜を移動させたりするのに棒を使います。丁度いい長さがあるのです。それが1ヤード。足の長さもインチ センチですが昔の日本は文 これは文銭が基本です。足袋作りのサイズは文尺(もんじゃく)貨幣を基本にしていたのです。
ラーメンスープの自製から始まったラーメン修行 スープ自製の次の段階は麺の自製。作って食べ続ける事二ヶ月。大変な事態に。手首が腱鞘炎になってしまいました。この件については報告した事があります。麺を延ばす時のシンクが高すぎたのです。蕎麦打ちの実演を見た事がありますが蕎麦を打つ台はかなり低いのです。それまで漫然と見ていましたが実際に手首が痛くなったので判ったのです。始めは「歳のせい」だとも考えました。この時は息子に迷惑をかけました。
弱火料理の水島先生の講演で「プロは数時間料理をし続けるので調理台の高さとか、包丁とまな板の位置も重要視しています」と聞きました。ちなみに身体の位置はしんくに向かって斜め45度 これだと包丁とまな板が直角になります。包丁の峰 材料との角度15度 全部筋電計で計って調べたと聞きました。一番疲れない 立居地があるのです。包丁って親指と人差し指で軽く持ちます。これで切れるのです。固い物は別です。菜っ葉なんかは指二本で切れます。
手首を傷めたので1ヶ月は麺打ちは休止。それでもスープは自製で作っていました。元の状態に戻っても手打ちを再開と言う訳に行かないでしょう。又同じことが起きれば家族に迷惑をかけそうです。「足ならいいんと違う。別に他人に食べさせるのではないから」と決心「まずはやってみょう」と言うことで足で麺を伸ばす事に。一二度やってみて「何で初めからしなかったんだろう。これの方がはるかに楽チン」麺を薄く延ばす作業が楽になりました。数回続けていると麺棒の太さが気になります。手打ち用の麺棒は手打ちに適している太さなのです。「別にどんな太さでもいいのでは」と考え棒探し。車で走っているといくらでも街にあります。電柱の太い物もいけそう。道路わきにある鉄柱とか街路灯も太さが丁度良い。「あれをこっそり 一部切って使えれば最高」と思いながらホームセンターで探し続けました。見つかったのは木製の杭打ちの杭のない太い棒。これなら使えそうです。価格は300円くらい。買って早速使って見ました。初めは椅子に腰掛けて棒を転がしていましたが力が入りません。そこで立ってする事に。靴を履き透明袋を二重に巻いての作業です。これだと手首を傷めることはなさそう。ここで手打ちは卒業です。でも修行は続きます。