週間店長情報 石けんVSボディソープ 2020.09.07
コロナに総裁選 いろいろあってマスコミは話題に事欠かない状態が続いています。その上50年に一度の台風 これもすごいらしい。気象庁も「我々の話を聞いて」と参戦。
こんな時に石けんの話なんて「空気が読めない」と言われそうです。何でも知っている皆さんですからこんな陳腐な話は「ごめん」とも言われかねないです。石けんについてはよく知っている筈ですがボディソープとの違いをはっきり説明出来る人は少ないかもしれないと思ってペンを取りました。大部分の人は固形石けんを水で溶かしたものがボディソープになると思っているしょう。僕も長らくそう思っていました。実際はそうではないのです。
固形石けんは脂肪酸(常温で固形のものを油脂 液体のものを油)にアルカリ材を入れて作ります。これを乾燥させて出来上がりです。石鹼素地と呼ばれています。乾燥に時間がかかるので日本ではほとんど作られていません。マレーシァに世界最大の脂肪酸工場があると聞きました。輸入したものを使って溶かしていろいろな成分をいれて各社特徴のある石けんを製造販売しています。日本製造の石けんは2社だと聞きました。日本製は製造コストが高いのです。
当方の販売している石けんは美肌の固形石けん ねば塾の白雪の詩 パックス化粧石けんE などです。美肌の石けん 白雪の詩が人気。美肌の石けんは宅配業者のチラシに入れてもらっているので販売数がダントツ。白雪の詩が売れるのは価格。2個入りですが初めは1個180円で販売していましたが売れが鈍いので2個入り250円(当時)にしたらバカ売れになったのです。表示は台所石けんです。実際に台所用としては使う人はいません。
アルカリ材はナトリウムとカリウムに大別されます。固形石けん原料はナトリウムです。こちらの方は安価だと聞きました。カリウムの固形石けんというのはほとんどないです。カリウム原料はシャンプーとかボディソープに使われています。カリウムの方が高価です。
石けんとボディソープの違いは価格だけではありません。PHも違います。石けんはアルカリ性ですがボディソープは弱酸性に近いです。肌にはボディソープの方が優しいのです。
ついでですがハンドソープは洗浄成分以外に殺菌成分が加わっているのです。自然派だと殺菌効果のある成分はヒノキチオールとかアルコールです。手洗いの目的の一つは雑菌を取り除く事と聞きました。昔は全部石けんでした。今でも石けんで全身を洗っている人がいます。
化粧品としての石けんは全成分表示義務があります。全成分表示してある筈ですがそれ以外の成分も入っています。「ウソでしょう?」と言われるかもしれません。これを初めに指摘してくれたのはカビ博士の井上真由美先生。「表示成分だけで製造すると全部カビに食べられる」と言うのです。風呂場は高温多湿です。カビの繁殖には最適環境です。カビに食べられると黒い斑点が付くらしいです。全部の石けんには殺菌剤が入っています。石けん素地としての表示で済ましていますがエデト酸、エチロン酸が素地の製造段階に入っているのです。表示義務はありません。
固形石けんを自製するとはっきりします。放置しておくとカビにやられます。自製の固形石鹸は市販されている石けんと比べるとぬるぬるしています。不純物としてグリセリンが出来るのです。これがぬるぬるの原因です。製造工場では出来た石けんを食塩水にくぐらしてグリセリンを取り除いています。グリセリンは油の一種です。食塩水は海水と同じです。重油流出で重油が海水と混ざるとクリーム状になります。これは永久には残りません。微生物が分解してしまいます。
ねば塾で粉石けん作りを見学しました。粉石けんは石けん作りと同じですが最後は自然乾燥させないで熱風中に噴霧して乾燥させるのです。
何回も言っていますがボディソープとシャンプーは同じものです。シャンプーを薄めたものがボディソープです。市販品は髪をきしませない成分が余分に入っています。