週間店長情報 ラーメンスープの因数分解 2022.02.07
出汁に詳しい自然食品店店主に「かつお出汁は昆布に勝ちすぎる」と言うと「昆布は何を使っているの」と言うので「家内が婦人会で買った昆布巻き用の昆布」と言えば「きっと養殖物。出汁はあまり出ません。羅臼昆布だと負けません。新年のご挨拶代わりに少し差し上げます」本当なら僕が新年の挨拶代わりに何か持っていかなければいけないのに逆の展開になりました。僕は何も出汁について判っていないみたいです。0.8%塩分濃度にこだわってスープを作っていますが昆布もいろいろあるのですが高級昆布は○ビの僕には無理だと諦めていました。あつかましい僕いただきました。早速言われるとおりに一晩漬けて置くと今までの昆布と違います。これと同じ物を作ろうとすれば婦人会の昆布だと10倍とは言いませんがかなりの量の昆布を必要としそうです。昆布に等級があるのは知っていますが知識だけ。初めて高級昆布の等級品を眼にしました。更にB品があるのも知りました。そのB品とそうでない物の違いも教えてもらいました。ほとんどの店の人はそういうことを知らないかも。店には日高 利尻とかの昆布が並んでいますが等級が判る人はたぶんいないでしょう。等級の違いは厚さの違いだとネットで出ていました。厚い方が上等なのです。B品は1つ穴が開いているだけです。B品は価格もリーズナブル。でも安く無いです。
ラーメンを作っていますがスープの種類を詳しく調べた事はありません。「なんとなく」知っているだけです。とんこつスープは有名ですが何をどう使っているか判りません。沢山のとんこつラーメン店がありますがどの部分の豚骨を使っているのか知らないし部位が違うとどう味が違うのかも知らないのです。そこでいつものお勉強を
スープの取り方でも味が変わります。強火で長時間に込むと白湯 白濁したスープができます。弱火でじっくり煮込んだスープは澄んだスープに仕上がります。こんなの基本でしょう。
とんこつスープと言っても使う部位によって特徴があるのです。まずはげんこつから
ゲンコツは膝の関節部位。質のよい骨髄が長期間にわたってよく取れ、こってりとした厚みのあるスープが出来上がります。形が人間の拳骨に似ているかららしい。
アバラ骨 背骨 ゲンコツに比べて安い。直に良いだしが出るが長続きしません。
豚足 ゲンコツに加えて味の深みを出す時に使います。じわじわと濃い旨みが出ますが充分な下処理が必要です。
豚頭 質のよい骨髄が良く出ます。生々しいので使う時は客から見えないように配慮が必要です。
とんこつスープはコラーゲンが多いのが特徴です。ゼラチン質が多量に出るのでしっかりとしたスープが取れます。脂肪が多いのでスープの表面は脂が浮きやすいです。長く煮続けていると脂は消え白濁してきます。乳化するからです。
鶏骨スープ 鶏がらでとるスープは旨みのある成分グルタミン酸が多いのが特徴です。コラーゲンはとんこつに比べて少ないです。白濁しない澄んだスープに仕上がります。
鶏がらスープは可食部を取り除いた骨 透明なスープに仕上がります。
モミジ 鶏がらの足の部分 良いだしが比較的早くとれあっさり味のスープに仕上がります。充分な下処理が必要です。
節類 和風だしを使ったスープ 鰹節 さば節 そうだ節の総称。かつおに昆布を組み合わせて使います。かつお出汁はイノシン酸 昆布だしはグルタミン酸が旨みの成分です。僕が作っているスープはこれに近いです。僕は節と昆布 粉シイタケを使っています。
簡単にとんこつラーメンと言っていますがこいろいろあるのです。ゲンコツとかもみじと言う名前は聞いたことがありますが実際にどの部分というのは知りませんでした。ここまで知るとラーメン屋の看板を見るのが面白くなりそうです。と思っているのは僕だけかも。