週刊店長情報 商売は70才を越えると楽しい 2019
「70才と言うのは老いぼれ世代。そんな人達に未来は無い筈。それが楽しいなんて変」誰でもそういう筈です。当方の聞いた話と実際に起こっている事を書いてみることに。
長年美容師と付き合っています。大部分30年以上の付き合いです。70才くらいになると「店これからどうしょうか」と考えるのです。自分の息子娘が店を継げばグッド。そういう例はわずかです。ほとんどそうなりません。商売の承継についてです。
うまくいった話。店主が70才になった頃20年以上いるスタッフに「私店辞める。あんた店やって」と言うと「させてもらいます。先生手伝って」この店とスタッフの家が10mぐらいでした。スタッフが独立。そこに辞めた店主が手伝いに来ていました。今でも盛業中。
次のケースがタイトルに近いケースです。店主が70才ぐらいに起きたケースです。20年以上いるスタッフと二人でやってきました。スタッフの自宅は店の近くです。「私 辞めたい あんた この店後を引き受けてもらえん」今の店をそのまま使っての引継ぎ要請です。これなら何も資金がなくても開業できます。スタッフにその気があれば「渡りに船状態」の筈。それがそうならなかったのです。スタッフは「店を辞めたい」旦那の仕事を手伝うと言う事でした。店主は困ったでしょう。今まで二人でしていたのを一人営業です。きつかったはずですが儲けは倍増。それだけで終わらなかったのです。これだと「次はない」ので悲しい未来が待っていると誰でも考えます。
数年後先生から「このところお客さんが増え続けている」と聞きました。「何で」と言えば「同年輩の同業者が廃業するか死んでしまうから」と言うのです。考えていることはみんな同じみたいです。80才近くになると「大変だから一人減ったら一人増やすやり方をしている」簡単に言えば一人お客が死んだら待っている次の人を引き受けると言う具合。90歳近くの今も営業継続。
これを知ってから僕は60才くらいの美容師に「今は死んだふりをして70になったら頑張って」と言い続けています。70歳くらいから店は繁盛すると言う事がはっきりした事例です。
びっくりするような美容室があります。80才コンビの美容室。「ウソでしょう」と言われそう。でも本当です。場所は京都市南区。店主は70才になった頃一人娘のいる東京に。店はスタッフに任せて。数年東京にいましたが帰ってきました。聞くと「何もおもろない」生活に困らなくてもつまらないらしいです。今は年中無休で店をやっています。盛業ではないですが続いています。店は三階建てで二階と三階はアパートにしているので生活には困らないらしい。
70才に繁盛すると言っているのにそうなっていない店も出ました。姉妹の店です。本来なら大繁盛です。実務は妹がしていました。姉はなんちゃら教に熱心でほとんど仕事をしていません。妹が階段から落ちて圧迫骨折。美容師を断念。店も暇なので予約制に。毎週数日着付けのバイトに行っています。いずれ閉店でしょう。これもありだと思っています。
通常なら繁盛間違いなしなのにそうなっていない店があります。80代の母親と娘二人でやっている店。店主のお母さんは透析週三回。長年の自分のお客さんがいるので仕事を続けています。娘達のお客さんが少ないのです。母親から「娘ら 全然あかん あんた 何かアドバイスして」と言われています。美容師の魅力は腕と接客、価格。腕は講習の受講とかで勉強を続けているかどうかです。代金がサービスとマッチしているかどうかを研究すると良いとみています。言いませんが。
しんがりは城陽市にある美容室 一人営業です。60歳代には「私 ほんの少し人さんの事が判るようになった」で店は急に繁盛し始めました。今は80歳近いです。この美容師が1ヶ月前に「ナカショウさんこれからやねぇ。商売は70歳代が一番面白いです。ひとが見えるから」彼女の言う意味は70歳になると生活とかを考える必要がなくなるので人の気持ちが判ると言う事でしょう。自分の心がフラットになるのです。僕には至難の事かもしれません。生活がフラットを妨げるから。