週間店長情報 鼻緒が真ん中の草履は? 2021.09.06
「靴の相談日」のある診療所に数年通いました。初めは何も判りません。靴の履き方とか紐の結び方から始まります。と言うか医師は「何も教えるな」とスタッフに言っていたらしい。医師の元に「知識を盗みにくる」人達が沢山いたのでしょう。僕もそう思われていたのです。それが「あいつは本気だ」となったか知りませんがいろいろ教えてくれるようになりました。更に医師が主催していた「ジャパントータルフットケア協議会」にも入会を勧められました。入会していろいろな業者とか会員と知り合うようになりました。ここでもいろいろ勉強出来ました。
靴の相談日 患者は日頃履いている靴を持参する場合もあります。足の疾病があると病名が付けられます。靴を履いた状態でレントゲンも撮ります。その後装具としての靴を造ります。と言うか靴選びが始まります。ここからは医師ではなくシューフィッターの靴屋と装具士さんが担当です。初めは足サイズを測ります。足長 足囲を測り(この場合全荷重)足型の特徴を観察 エジプト型 ギリシャ型 正方形型と区分けします。更に踵部とか足背部の特徴も観察します。
観察が終われば靴の選定です。シューフィッターがその人に合いそうな型の靴をいくつか用意します。通常エジプト型 ギリシャ型だとオブリーク 正方形型だとスクエアー型の靴を出してきます。ラウンド型の靴もあります。同じスクエアー型でも踵部の大きさが違う靴もあります。
靴メーカーはいくつもの靴のシリーズを出しています。型が1つではないのです。その中から患者の靴を選ぶのです。靴の材質は革です。ソールはスポンジ又はゴム。
革は通気性があるからと言う理由で「いい」と言う人がいますがブーです。革靴に通気性はありません。靴の換気はふいご現象で起きます。こんなの聞いてもほとんどの人がわからないかも。
皮膚は汗をかくと膨張します。乾燥すると締まります。革も同じです。これが革靴を勧める理由です。布靴は逆で汗をかくと締まりますし乾燥すると大きくなります。合皮の靴は変化しません。
靴が決まれば試し履きです。靴下を履いてから靴を履いて5メートルの通路を往復歩いてもらいます。その姿を装具士さんと靴屋さんが観察。納得すれば在庫を確認して靴の受渡日を決めます。ここまでが1日目。数日後に再診。その時に注文した靴を履いてレントゲン。良ければ装具士さんが中敷を改造して最後の仕上げ。ここでやっと靴の受け渡しが終了します。保健適用です。
靴を販売している自然食品店があることを知っています。それなりの講習は受けていると思います。ほとんど治療靴と呼ばれるコンフォートです。ドイツ靴が多いです。販売しているのは1シリーズがほとんどです。誰にでも合う事はないと見ています。靴合わせは大変だと見ています。
靴屋さんは苦労しています。足の形がいろいろだからです。そこへいくと当方取り扱いの草履は楽チンです。少々サイズが合わなくても「大丈夫」だからです。草履は昔からあります。
草履にも欠点があることを以前書いた事があります。今回は別の話です。ミサトでは草履を研究している人はいません。ミサトを有名にしたアドバイザー原田先生とは縁が切れたみたいです。僕の話を聞いてもらえる会社はありません。今回はもう1つの欠点を指摘したいと思います。
草履下駄の鼻緒は真ん中についています。これについて原田先生は「親ユビと後の4本のユビで重心が半々だから」と言う説明でした。これは操体法で言う重心安定の法則です。「足は親ユビ、手は子ユビ」と操体法で言っています。これで納得していましたがどうもしっくりしないのです。
草履の真ん中に鼻緒があると足を入れた時小ユビがはみ出します。はみ出す事で良い事もあります。横軸アーチの形成に補助的に役立ちます。踵部のはみ出しも縦軸アーチ形成に役に立ちます。それだったら初めから踵部を少し低くした草履がベリーグッドです。更に子ユビがはみ出さないように鼻緒の位置を少しずらして欲しいです。横軸アーチ形成には影響ない筈です。横軸アーチ形成に役に立つのは親ユビと2ユビで鼻緒をつまむ事によって出来るのです。そんな改良草履希望。