週間店長情報 化わると変る 2021.12.27
随分昔の事ですが引きこもりの27歳の男を僕の仕事をつき合わせた事があります。男は僕の取扱い化粧品メーカーの講習仲間のお客さん。アトピーがひどくて仕事に行かない状態が続いているらしい。講習仲間は「アトピーのお手当ては出来ても仕事に行かないのを治す方法は無い。あなたが頼り」と言うことになったのです。会うまで二年近くかかりました。指定した駅に迎えに行けば赤いセーターのいでたちです。僕も赤いセーター。相性はばっちりみたい。彼の一声は「きっかけが欲しい」でした。仕事に行きたいと思っているのですがきっかけが無かったのです。今までにない刺激が必要だったのです。彼は3回僕の仕事に付き合いました。3回目は自然食宅配のイベント。その時その主催者の会社の人が「ウチの会社 人募集しているでぇ」と言うので彼を使ってくれるように社長に話をしました。3回しかあっていない人を「彼は良い奴です。採用して下さい」と参拝九拝。息子でもない人の就職を頼んだのは初めてです。「ウチの会社は不器用な人でも勤められる。面接する」となりほどなく採用になり、勤め始めました。後日彼を事務所で会うと「僕はナカショウさんに騙されました。気がついたら毎日仕事に出ている。休みの日はぐったりしています。遊びに行く元気もありません」毎日アトピーの再発を気にしていた生活から抜け出たのです。
僕の受講生で真面目な女性がいました。彼女も僕の仕事に2日ついたことがあります。車の運転をしながら彼女の話を聞きました。今後の進路について悩んでいるようでした。彼女は自分を変えたいと思っていたのです。僕は「性格を変える事はできんでぇ」と。「変える方法は自分の格好。これは変えられる筈」と言うアドバイス。続いて「茶髪にしたら」と提案。僕の付き合いのある美容室で毛染めをしました。彼女も今までに無い刺激が欲しかったのです。
昔化粧品卸だった頃の僕はちゃんとした格好をしていました。ネクタイをしてブレザーを羽織っていました。スーパーの紳士服売り場にいると店員さんと間違えられて声をかけられたこともあります。ネクタイの色はいつも真っ赤。赤のネクタイは美容室訪問で先生不在の場合スタッフに「どんな人」と言われれば「顔の特徴は上手くいえませんがネクタイは真っ赤」と言えばすぐに僕だと判るようにと言う理由です。赤いネクタイを数本持っていました。
美容室への化粧品卸だった僕がヘナと付き合うことになったのは付き合いのある美容師が「私これうまく染められない。あなたにあげる」と500gのヘナを貰ったのです。この話を僕の操体法の受講生に話をしたところ「私 それ 研究したい」となり僕の頭を試験台にして研究する事になりました。初めて染めた時家内は「みんなに馬鹿にされる。気が狂ったと思われる」今は亡き母は「似合っている」と言ってくれました。息子のやることに味方をしたかったのでしょう。ここで不思議なことが起こりました。美容室に訪問するとみんな僕の頭を触るのです。20年以上美容室を廻っていましたがそれまで僕の髪の毛を触る美容師はいませんでした。それが普通でしょう。それが訪問する店の美容師が何人も僕の髪の毛を触るのです。そして「うまく入っている」とか言うのです。普通女性が男子の髪の毛を触ることは無いです。美容師は髪の毛に関心があるからです。
若いと「若くていいねぇ」と言われますがそれも30代ぐらいまで。40歳を越えると「兄ちゃん」とは言われなくて「おじさん」とか「おっちゃん」と言われ始めます。20年以上も同じ店を廻っているのです。しかも同じ商品 同じ格好で。飽きて当たり前、飽きないほうが不思議です。
飽きるのが人間 皆さんの店もお客さんが飽きるのです。飽きさせない工夫が必要です。
店の格好を替えたり、店主 スタッフの格好を代えたり、新規アイテムを増やしたり、商品の展示を替えたり、毎日 毎週 ランダムな刺激が店主 お客の心身を活性化させるのです。
究極の活性化のアイデアがあります。「入店先着50名様にお年玉差し上げます」これならすぐに実行出来そう。金を出すお客さんに金を撒くイベント。先立つ物があれば当方が実施したいです。