週間店長情報 ポリシーを曲げる 1 7 22
僕が正食を知った時代は自然食品店にはほとんど商品がない状態でした。玄米の無農薬もなかったです。店にある米は減農薬 除草剤1回とか。無農薬で作っているお米も空中散布されていたものがほとんど。「空中散布を止めさせる会」とかが出来始めたもこの頃です。お米を販売する時は申し訳なさそうな顔をして「空中散布1回です」と。佐久農協米と佐久平米についてもいろいろそれぞれ言っていた時代です。こんなの知っている人は少数派。今では懐かしい話です。
この頃の店には肉はなかったです。果物も。売り出しで2割引にすれば売れてもほとんど儲かりません。売れるのは調味料がほとんど。お客は正食の人が多かったのです。儲かるアイテムは健康食品。ビタミン サプリメント類。店主は「せんせい」だった時代です。近くの店が特別のアイテムを仕入れれば頭を下げて卸してもらうのも日常茶飯事。30年以上前のことです。この時代に「やっぱり生ものを扱わんとあかん」と考えた店が出始めました。今は当たり前になっています。
その時代からすれば今は素晴らしいです。ビタミン類を主力販売している店より生ものを扱う店が多くなりました。地方の店の店主が「せんせい」の時代。地方の店は元気でした。今地方の店に元気がない原因かも。地方の店は30年以上前の造りです。これは僕の実感。一番判りやすいのは九州の店です。これも偏見。毎週京都 大阪 滋賀 その他50軒近くの店を訪問しています。九州に毎月いっていた時期もあります。店を見るといろいろ気がつくのです。
簡単に言えば昔の自然食品店はベジタリアンの店だったのです。肉 魚は「陽性」と言って毛嫌い。果物は「陰性」身体を緩めると言う理由で置かなかったのです。
今の店は肉魚その他果物も一年中あります。「フルーツがないとお客がこない」と言う店があるくらいです。肉魚は売上げに貢献します。フルーツも。ベジタリアンの店ではないです。
今週の新規アイテムのベジタリアンの為の練り物無添加物ではありません。当方がバツとしている加工デンプン ビタミンC が入ったものが大部分。魚のすり身が入っていません。添加物が一番多いのはちくわ。本来なら取扱いしないアイテムです。昨年のセミナー講師が指摘したのは加工デンプン。今も店の取扱いアイテムに結構あります。この業界の人が指摘するビタミンCは昨年の講師はバツではないです。案内にアンダーラインをつけているものが当方ではバツ扱いです。製造に「何とかしてくれ」と話をしています。今のところ難しい。これだと「ウチは取扱わない」と言う店が出る事は判っています。魚の入っていない練り物は一般市場にはありません。取扱は僕が言いだしっぺ。「魚の入っていない練り物を探している。僕が食べたいから」と店に言い続けました。ある店の店長が覚えてくれていて探してくれたのです。そして「ナカショウさんありました。連絡先はこれ」とメモをくれました。何でも言い続けると願いは叶うようです。
僕は練り物をよく食べました。毎週のように練り物が残ってしまった時期があったのです。結果痛風に。対策として練り物全廃しました。これで5年発作は出ませんでした。その後出始めたので今は一日一膳です。効果はありそうです。
初めに書いたように自然食品店は売るものが何もない時添加物の入っている物を取扱わざるを得なかったのです。「ウチはこだわっている。自分の納得できるものだけ置いている」と言う店とか店長がいます。先人たちは一歩前進させる為に添加物の入っている商品を取扱ったのです。そうしないと次はないのです。今の僕はそれと同じ想い。今回も次の一手を考えています。クック高倉の社長と話をしました。「ベジは売れている。ウチは進出して5年。まだまだ手探り。今は仕事が忙しい。落ち着いたらその話聞く」と言ってくれています。そこで僕は「当分ポリシーを棚上げして取扱ってみます」と。今回のベジタリアンの為の練り物は期間限定取り扱いです。ポリシーを曲げての取り扱いです。ご理解いただけるお店が出ると有難いです。