週間店長情報 人生そんなに甘くない 2023.04.03
随分昔の話ですが富山の同業者が「京都に住みたい。アパート探しを手伝って欲しい」と。不動産業者に行きアパートを探しました。そこで「何で富山から京都なの」と聞きました。「女房がお袋を叩いた。お袋に手を挙げる嫁さんとは一緒に住めん」と言うのです。でも気に入った物件は家賃が高く、家賃が安い物件は狭いのです。一休みに上賀茂神社に行きおみくじを引く事に。彼が引くと大凶。「もう一回引いたら」と僕。再び聞くと凶。「あかん」こんなときは何をしてもよくないのです。奥さんは美容師 店を経営しています。店は借り店。彼の家はかなりの古い家らしい。僕は「家を建て替えて店併設にしたら。夫婦が同じ目的があると上手くいくのでは」とアドバイス。一旦富山に帰って考える事に。数年後彼が家を新築したことを他の同業者から聞きました。美容室併設の家です。彼からはその後連絡はなかったです。五年ぐらい前に亡くなった事を奥さんからのはがきで知りました。僕より年上の人です。あれから離婚をせずに添い続けたのです。
店のイベントでフットマッサージをした時、老婦人と話をした事があります。退職したご主人との二人暮らし。生活に困る事のない夫婦。子供達も問題が無いらしい。幸せ一杯の筈です。これが「にいちゃん なんもおもろない。毎日つまらん」と言うのです。普通なら「今が幸せ」と言う筈の夫婦ですがそうなっていないのです。人生は安全ではおもしろくないようです。
夫婦が同じ目的を持って生活すれば幸福になると考えますが逆になった場合もあります。「ナカショウさん来月からここから上がった場所に美容室併設の店にひっこしするのでそこに来てください」と言う美容師。幸せ一杯の様子でした。翌月訪問すると美容師がいません。ご主人らしき人が出てきて「女房と別れる事になった」と言うのです。理解不明 唖然としました。
こういうのもなかなない話です。ご主人と子供がいる美容師 同居しているのに二人目の子供はご主人以外の子供を生んだのです。美容師は「本当はどちらの子か判らない。でも他人から見たら夫婦のどちらにも似ていないと言われる」と言うのです。心当たりはあるのです。これも別れずに夫婦生活を続けていました。この場合は親達が決めたいとこ同士結婚でした。
こちらは和歌山の同業者の話です。借金して始めた商売。毎月の支払いに苦労していました。それが急変したのです。息子が急死。朝起きたら死んでいたのです。その一週間前に僕は息子に会っています。彼女とそれぞれの母親が一緒に伏見稲荷に来たのです。母親は保険のセールスをしていました。生命保険のセールスって成績が良くないと所謂「テンプラ」架空契約を作ります。僕も付き合ったことがあります。テンプラってマージンが続いている時まで保険金を支払い。マージンがなくなるときに解約又は新規契約者にかけかえしたりします。息子に数口の契約をかけていたのです。結果テンプラがテンプラでなくなったのです。大金が入ったので今までの支払いの苦労が無くなりました。それどころか投資を考え始めたのです。「これで一生安泰」だと誰もが考えます。程なくして奥さんがなくなりました。もともと身体はあまり丈夫でなかったのです。僕が行けば「京都のお兄さん 飯かい 酒かい」といつも歓待してくれました。娘も「京都のお兄ちゃん」と言ってくれていました。奥さんが亡くなって意気消沈かと思いきや後妻を取るというのです。これにはびっくり。奥さんが亡くなって1年も経っていないからです。再婚しましたが半年で別れました。性格の不一致 お互いの想いが違っていたのです。別れに手切れ金3000万。金があるので気前が良かったのです。再婚は諦めて今度は取引先の美容師を愛人にして同居。闇の高利貸しを始めたのですが逆に取り込み詐欺にあい「すってんてん」になったのです。お金に困って国民年金の前借をして生活をしていました。こんなの聞いた事がありません。愛人は困った事でしょう。「この家だけでもほしい」となったようです。これが認知症か痴呆症になった模様。最後は施設に入り亡くなったと人づてに聞きました。本当に「人生そんなに甘くない」のです。