週刊店長情報 国産無農薬無肥料バナナ1本600円 2019 11 25
「おめぇ 又ありえない話をするんかい」「手足は動かんけど口だけは動くので嘘八百とか大法螺を吹きまくると長生きできると聞きました」「それでもウソはあかん」「ウソではありません。現実に販売されています」信じられんけど聞いてみよう。
バナナと言えば昔を思い出します。「バナナボート」です。20年以上前になります。全国の自然食団体が一堂に集まって豪華客船で沖縄に行くと言うツアーでした。僕は居残り組。こんな話をしても当時の事を知っている人はわずか。「沖縄に国産バナナを」と言うのがキャッチフレーズ。
沖縄にバナナがあることはあるらしいのですが送料がバカ高だと聞きました。実際に皆さんの店にあるのはフィリッピンバナナ。スーパーに並んでいるオーガニックバナナはメキシコ産です。自然食品店は一般市場に追いつかれていると言うのが僕の認識。ちょっと高めの無添加食品は一般市場に受けいれられ始めたのです。又業者もそっちに営業に力を入れています。「自然食品は自然食品店で」と言う時代ではなくなっているのです。こんな旗が必要になるかも。
国産無農薬無肥料バナナと聞けば自然食品店でとっくに置いてあってもいいものです。ぼくが回っている店では皆無。今の所注文が殺到して追いつかない状態らしい。無農薬だけではなく無肥料栽培です。糖度は25度。普通のバナナは18度。自然農の人達がすぐに生産していてもよさそうですがそうなっていません。これも不思議です。開発者は苗を全国のお百姓さんに有料で提供していると聞きました。この売り上げで50億円ですからびっくりです。「何でまねしないんだろう」
開発者は農業の素人だったらしい。昔バナナは貴重品。病気にでもならないと食べられなかったのです。僕らの世代だとそうです。「バナナを腹いっぱい食べたい」「昔食べたバナナの味が忘れられない」と言う事から商売とは別に研究を重ねたと聞きました。
正食でバナナは陰性。温かい所で収穫できるからです。こっちのバナナは日本の寒い地区でも収穫できるのです。岐阜県で作っている生産者がいます。岐阜県で出来るのなら京都とか福井県でも出来そうです。僕ってこういう話を聞くと俄然元気になります。面白そうだからです。
楽しいではありませんか。バナナは陰性と言う概念が無くなるかもしれないのです。更に「どうせならハウス栽培だろう」と言われる人があるかも知れませんが露地栽培です。台風除けにハウスを使う場合もあると言います。中国地方は台風がよく直撃されるからです。
更にビックリすることがあります。バナナだけではないのです。パイナップル、マンゴー、コーヒーとかも栽培しているのです。コーヒーの品種は希少価値のある「ゲイシャ」僕の今までの常識が役に立ちません。「誰か正食で説明してくれ」と言いたい気分です。
本屋で「日本でバナナの無農薬栽培が可能になった」本をチラ読みしました。初めは失敗の連続。ヒントはソテツとか凍土の中で発見されたマンモス象。凍土の中にいたマンモスはオオカミにかじられていたと言う記事を見たのとソテツは原始時代を生き抜いて現在も生き続けているのに疑問を持ったのです。氷河時代を生き抜いてきている筈です。これがヒントになり「苗を凍結させると良いんと違う」凍結させても細胞が死なない苗が出来ると閃いたのです。実験を重ねて出来上がったのが「凍結覚醒法」苗。これだと日本の土壌で無農薬露地栽培ができるらしいです。今の海外のプランテーションバナナはカビとかの病気で生産が激変していると言うのも知りました。
覚醒法に似たような話があります。「緑健農法」肥料を与えずに枯れる寸前に化成肥料を少し与えると糖度の高いトマトが出来るのです。過酷な条件にさらされると生物は頑張るのです。人間だって同じようなもんでしよう。昔の人は「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言っています。若い時の苦労は役に立つのです。歳とってからの苦労が絶えない僕はきっと例外。
バナナの名前は「もんげーバナナ1本600円」岡山県産。もんげーは岡山弁「すごい」意味