週間店長情報 生活環境変化と化粧品 2022.03.21.
化粧品の取扱いを始めて40年以上になります。訪問販売から卸しに変更し始めた時に化粧品を取扱う事になりました。和歌山の同業者から「美容室で売ったら」と言うアドバイスをもらって美容室を廻り始めたのが始まりです。当時仕事はバイクで廻っていました。ヘルメット着用の義務がなかった時代です。ノーヘルメットだと顔は日焼けして真っ黒です。そんな僕が「この化粧品をつけると肌が白くなります」と言っていたのです。美容師はきっと「日焼けして真っ黒のあんたがよく言うよう」と心で思っていたでしょう。ほどなくしてバイクから中古の軽自動車になりました。
当時車にエアコンはついていません。アパートにもクーラーはついていません。夏は窓を開けて網戸にして夜は過ごしました。大変だったのは梅雨のじめじめした時期です。夏は扇風機だけ。
化粧品は色素無し 無香料でした。売りはイオン。同じ原料を使っている化粧品が全国コマーシャルしていたので「イ○ナと同じ原料でこちらは格安」と言うのがこちらの売り文句。テレビコマーシャルのクリームは1万円。こちらは1600円。美容室で委託販売だったので営業の得意で無い僕でも何とか取引先を増やすことが出来ました。
化粧品の説明をする時「日本は高温多湿なので油分の多い化粧品は必要ない。水分の多いバニシングクリームが合っている」と説明しています。取扱っているクリームもバニシングクリームです。
ヨーロッパではかなり油分の多いクリームが販売されていると聞きました。向こうは空気が乾燥しているので素肌だと肌がぱりぱりになるのです。
今までこんな考えできました。何の疑いを持っていませんでした。皆さんもたぶん同じだと思っています。僕は「本音は金を出す時にはっきりする」と思っています。どんな良い物でも「買ってくれるか」どうかです。買わないというのはその人に買っていただけない理由があるのです。
40年前にはふき取り化粧水がありました。化粧品店にいけば必ず取扱っていたアイテムです。今ふき取り化粧水(収斂化粧水)を取扱っている化粧品店は皆無です。
脂性化粧水(オイリータイプ)と言うのも昔はありましたが今はほとんど見当たりません。買う人がいなくなったので自然消滅したのです。
ふき取り化粧水が必要だったのは暑い季節に肌を引き締める必要があったのです。暑い季節にクーラーなしの家だと肌がほてるからでしょう。
当方の取扱っている化粧水は さっぱり しっとり 超しっとり 女神の4タイプです。3つ目の超しっとり発売の時反対しました。それまでの僕の経験から「3つ出すと1つがだめになる」と知っていたからです。人間は二つの選択支が判りやすいと思っています。選択肢が沢山あるといいと考える人がいるかもしれませんが迷うのです。どうなったかは僕には判りませんと言いたいですが新任の部長と話をした時に僕の主張を話した時「おっしゃる通りです」と言ってくれました。さっぱりタイプがさっぱり売れなくなったのです。
日本は高温多湿だという考えはエアコンのなかった時代の考えかも知れません。今の女性はいつでもエアコンのある部屋にいるのです。家でも会社でも通勤が車だと車にもエアコンが。
女神の化粧水の発売前に技術担当者は「超しっとりでも物足りないユーザーがいる」と聞きました。高温多湿の日本でも乾燥肌の人が増えているのです。バニシングタイプのクリームでは物足りない人が沢山出ているのかも知れません。
女神の化粧水はかなりのスグレモノです。通常の化粧品会社だとノンオイルエッセンスとして販売する物だと見ています。それでも物足りないのは油分の補給が必要だとみています。
今回取り扱いのメンズクリーム 美肌クリームより油分が多いクリームです。ひょっとして女性に使えるクリームかも知れません。生活環境の変化で化粧品も変える必要がありそう。