週間店長情報 今も大量生産は続いている??2024.0.7.29
「そんな事ない。今は多品種少量生産の時代だ」と誰もが言いそうです。僕もそう思いたいです。注文分だけ生産している会社があるのも事実です。全部そうではないと見ています。例えばトヨタの看板方式。トヨタの工場では必要な在庫を持たないで注文分だけの在庫だと聞きます。その先の受注側もそうしているかも知れません。その下の下請けとか更に孫の下請け会社はどうでしようか?どこかの時点で余分の在庫をしないと廻らない筈です。そのどこかは見えません。声を上げられない会社があるのです。材料、原料のどこかの会社が余分在庫を持っているのです。これが無駄だといえば最後の組み立て会社が注文を出して「ところてん式」で注文を下請けが同じにすれば製品になるまですごい時間がかかります。原料、材料製造会社が「今から作ります」となれば最後の組み立て会社は部品到着までかなり待たざるをえないのです。
当方オリジナルアイテムも例外ではありません。急に飴が売れました。すぐに在庫切れ、早速製造依頼をかけました。依頼の最初に原料を送る必要があります。原料は当方が在庫しています。有機黒糖1キロ単位では売ってくれません。1袋25キロです。有機砂糖も在庫しています。更に有機玄米水飴。これは今大変な事に。製造会社が原料入手不能状態。追い討ちをかけるように製造中止。有機玄米水飴を諦めて有機米飴に変更。飴の製造は四国宇和島市 機械製造ではありません。手作りです。製造は「天候次第」と言われています。出来上がるまで2週間ぐらいかかりそうです。生産量は多くありませんが生産された物は全部当方在庫になります。練り物とか餃子の皮だと受注した数だけ発注すればいいですがそうでないアイテムもあるのです。他にも丁字麩がそうです。これも製造会社で常時在庫していません。国産丁字麩はその都度生産しています。これも最低ロットでの製造依頼で出来上がった物は当方の在庫になります。丁字麩の場合は原料の手配が不要なので助かっています。原料手配をしなければいけないのは飴だけではありません。こだわりボーロがそうです。製造は長崎県です。この場合有機砂糖を予め1袋送ってその都度原材料量の確認と卵は平飼い有精卵の手配、更にこだわり全粒粉の発注を金子製麺にします。その上ラベルのプリンター印刷をしてメール便で送ります。1週間ぐらいで出来上がります。これは京都では量が多くてかさばるので在庫できないので福井の自宅に送ってもらいます。
当方のような小さな卸でも在庫なしで運営できないのが現実です。関東の問屋に在庫なしで運営している会社があるのを知っています。全部ロット配送です。ロット割れの場合は送料負担で発送しています。関東の店は文句を言わないのです。店も大きいのでケースで買っても裁けるのでしよう。これで売れれば卸は楽な商売です。一番大変な配送と在庫管理がない商売が成り立っているのです。これが今後も続くのなら万々歳です。
関東の問屋の社長と話をしていると「僕はバカ」だと判ります。「そんなもん全部直送にして少し掛け率を下げればみんな従うだろう」と言いたげです。僕のやり方だと「絶対儲からない」とも言われました。彼らの話を聞いていると僕は時代遅れな事をしているのです。
小売店は全部大きな店ではありません。関東の小さな店は大変なはずですが声を出せないのです。問屋は大きな店の意見は聞きますが「その他大勢」の店の話しは聞かないでしょう。卸から見れば売上げが小さいので声を無視してものです。事実関東の問屋の社長と話をすると店の話は皆無「○○生協でこれは3000個」「××会は5000個」僕の注文は数十個単位。世界が違うのです。僕は彼らからみれば「ゴミ」なのです。今もかなりの会社が大量生産していると考えられます。
多品種少量生産は今後普及するかもしれません。コンビ二のセブンイレブンは小売店のフランチャイズです。仕入れは全部バラ発注です。将来自然食品店もバラ発注が当たり前になるかも知れません。自然食品業界は「昔ながらの方式」なので普及は随分後になるかも?