週間店長情報 繁盛店を真似るな 2024.08.19
「おめぇ 何ちゅうことを。逆じゃないの?」と言われそうです。僕はかなりの偏屈人間かもしれません。「毎週40軒~50軒の店とか宅配業者を訪問しています。今月から配達の半分を別の人に任しています。空いた4日のうち1日又は2日は今まで取引がない店の訪問を始めています。毎週発送している店にも訪問予定です。殆どの問屋が自然食品店を廻るのを止めているのに僕は逆方向の活動をしています。非効率だと批判されるかも。
30年以上前の日経流通新聞で餃子の王将の創業者社長の記事を読んだことがあります。その中で「椅子を高くしているのは客が長居出来ないように」と言っています。繁盛している飲食店は「お客を捌く店」です。食べたら一刻も早く出て行って欲しいのです。
随分昔ですが九州の有名なウナギ屋さんのうな丼を食べたことがあります。九州の同業者がおごってくれたのです。食べてほどなく「食器お下げします」程なくして「お冷交換します」と来たので同業者は「出よう」と言うのです。聞けば「出て行ってと言う合図」だというのです。
繁盛店を見学したらなるべく皆さんに紹介するようにしています。大部分の店では「ウチでは無理」という店が殆どです。横浜にある「すこやか広場」を紹介したことがあります。それを聞いた付き合いのある店主が「オーサワを全アイテム取扱う」と決心、オーサワに連絡してもすげない返事、断念せざるを得なかった話を聞いたことがあります。
繁盛店と大部分の皆さんの店とは条件が違うのです。店の大きさ、在庫量、アイテムを真似する事はある程度真似出来ます。出来ないのは店の地区の特殊性とかです。一番の違いは店主店長の人間性だと見ています。このまねは難しいです。すこやか広場の佐藤さんは毎朝ゴミ拾いをしていたとどこからか聞いたことがあります。こんな真似をしている人は皆無かも。
ドラッカーは「商売人は品性を高めると良い」と言っています。具体的にどうしたらいいのかについて説明はなかったよう。「人間性を高めると良い」と言う人もいますが何をしたらいいのか説明していないケースが多いです。宗教がこの問題を解決してくれるのかも。
「いい店紹介して」と言われた場合よく似た条件の他府県の店を紹介するようにしています。繁盛店ではないです。紹介店と同じぐらいの大きさ 店主の年齢 ロケーションが似ている事を重視しています。その上相談の店より繁盛している店です。これなら真似しやすいと考えられるのです。
店主はいろいろ考えています。店の特有の条件があります。店の外からは見えません。いわゆる足かせです。運転資金が潤沢な店もありますし、そうでない店もあります。その他取扱商品についても想いとかしがらみがあります。「これ売りたいが今販売している商品とバッティングする」という事が頻繁に起きます。「これが一番」と自信を持って今まで販売しているのに「こっちのほうがいい」とは言いにくいのです。僕の場合も実際に起きます。今販売している物より安価な物が出てくると本当に困ります。どう落とし前をつけるかしんどい悩みです。
繁盛店はそもそも「これが一番」という接客はしていないのです。している暇がないのです。きっと「新商品が出ました」くらいしか説明していないでしよう。前買った物とどう違うのと聞かれても「前のよりよさそう」というくらいで「これが一番」などと言わないのです。
繁盛店の接客とそうでない店では接客方法も違うのです。繁盛店になったら繁盛店の接客方法を真似する事は推奨します。繁盛店は客を捌く接客方法をしています。客との長話はほとんどしません。買い物が終わったらなるべく早く店外に出るよう誘導しているのです。
そうでない店は客の滞留時間を長くするような仕掛けをするのがほとんどです。店の条件にも寄りますが店の奥にレジがあるのもその1つです。店長店主の長時間接客も重要です。繁盛店の物まねは繁盛してから。それまでは繁盛店を真似てはいけないのです。