週間店長情報 紅茶の科学 2024.09.30
「いよっ 出ました科学」と言われそうです。紅茶に詳しくない僕が紅茶の話をするのです。紅茶を飲む機会のない人が読んでいただける内容になりそうです。
紅茶を飲まない人にとって紅茶は?マークです。大部分の人は紅茶の産地ぐらいしか判らないのが普通でしょう。ダージリンとかセイロンの名前は誰でも知っています。更にOPとかBOPとかFBOPとかはグリーンアイズのコーヒーカレンダーを読んでいる人が判るぐらいです。ダージリン茶葉を見て何がどう違うかは判りません。淹れて見ると判ります。これもしない人には「何のこっちゃ」状態です。以下はコーヒーカレンダーを読んでいる事を前提にしています。
紅茶は漢方薬の薬として飲まれていたのが始まりなんだそうです。それが一般化したのです。中国からヨーロッパに広がりました。紅茶は発酵茶です。発酵していないお茶は日本の緑茶。緑茶は蒸して乾燥させて作ります。それを焙じた物がほうじ茶です。紅茶は収穫したものを発酵させて作ります。発酵を途中で止めた茶は半発酵茶、ウーロン茶です。これは聞いたことがあるでしょう。プーアール茶は紅茶を後から発酵した茶です。後発酵茶と呼びます。「痩せるお茶」は成分に栄養を阻害する成分が入っているからです。食べても栄養が吸収されないのです。
紅茶の淹れ方はコーヒーに似ていますが違う点もあります。紅茶もしっかり茶葉の重さを計ります。蒸らし時間を長くすればいいというわけではありません。濃くするには蒸らし時間を長くするのではなく茶葉を増やします。蒸らし時間は変わりません。紅茶ポットを二つ用意する方法もあります。Pot to Potというらしい。コーヒーはブレンドしたものがほとんどですが紅茶はほとんどブレンドしません。コーヒーで言う単品です。
紅茶は一年中収穫できますが一番茶にあたるのがファーストフラッシュ(3月~5月) 二番茶にあたるのがセカンドフラッシュ(5月~6月) 三番茶はオータムナルとかサードフラッシュ(10月~11月)グリーンアイズの茶葉については問い合わせ中です。世界三大紅茶はダージリン、セイロンウバ、キーマンです。キーマンは中国です。
紅茶にミルクを入れる理由は紅茶の品質をごまかす事から始まったと言います。昔は品質がよくなかったのでしょう。ミルクが先か後かでは大論争があったとか。英国紅茶学会の正式方法は紅茶の後に入れるのが正しい淹れ方だと結論付けています。正食の考え方でみるとミルクは紅茶に浮かびます。重ね煮の考え方から言えば先に入れたほうが交ざり易い筈ですが紅茶成分をコーティングするのは邪道かと言えば?です。これは嗜好の問題です。飲んでみて「美味しければ」良いのです。医薬品のランダム化試験は紅茶のミルクの後先を見分ける事から始まったとか。
紅茶をレンチンする方法もあります。アメリカでは当たり前ですがイギリスではご法度。アメリカ人は結果オーライなのです。「細かい事は言わない」のです。イギリス人はセオリー重視です。レンチンなんて「もっての他」です。ティバックでの淹れ方です。
紅茶にレモンを入れると紅茶の色が薄くなります。レモンのクエン酸によって紅茶のPH値が低くなります。通常の弱軟水で淹れる紅茶はPH5.8程度ですがレモンの作用でPH4以下の酸性になります。一般的に紅茶は酸性になるほど色が薄くなり、アルカリ性になるほど色が濃くなる傾向があります。レモンの効果はリフレッシュ効果や血液循環促進作用があります。疲労回復効果が期待できるのです。紅茶にハチミツを入れると色は濃くなります。ハチミツ成分にあるミネラルが紅茶のタンニンとくっつくからです。紅茶にアルカリを加えると色は濃くなります。
紅茶は水質によって色が変わります。ヨーロッパは硬水です。日本は軟水。同じ茶葉を使っても色と味が変わります。硬水は溶けている成分が多いです。軟水は溶存成分が少ないのです。
その他 紅茶は沸騰したお湯を使います。理由はタンニンが95度以上で溶け出します。